必勝態勢で臨むデュッセルドルフ戦

22日は昨シーズンの戦友である宇佐美との再会を果たす。王者バイエルンと引き分け、首位ドルトムントを下したデュッセルドルフ相手のホームゲームは、非常に興味深い。 (C) Getty Images
アウェーでの勝点1……これをどう捉えればいいのか。
原口は、ポジティブな面を強調した。
「うまくいっていないなかで、また良い戦いができたというのはポジティブ。(ウインターブレイク前の)最後の大事な試合がホームであるので、そこに勝つために、今日は良いゲームをしなければならなかった。これくらいやれれば、たぶんホームでなら勝てるかなと思います」
原口は、ポジティブな面を強調した。
「うまくいっていないなかで、また良い戦いができたというのはポジティブ。(ウインターブレイク前の)最後の大事な試合がホームであるので、そこに勝つために、今日は良いゲームをしなければならなかった。これくらいやれれば、たぶんホームでなら勝てるかなと思います」
この試合での原口は、右サイドでキレのある動きを見せていた。特に、攻守の切り替えが速い。味方がボールを失うと、すぐに相手選手にプレッシャーをかけて奪い返すシーンが何度もあった。また攻撃では、右サイドからのクロス、ドリブルでは縦に持ち込んだり、中に切り込んだりと、積極的に仕掛ける姿勢が窺えた。
「もう強気でいかないといけないし、チームが点を取れず、うまくいっていないんで、自分自身がリスクを負っていこうと。今日、何回かドリブルで(仕掛けて)取られたけど、あれでいいと思っています。ここまで、取られることが少な過ぎたので、これを課題として、仕掛けて取られるくらいでいいと」
気持ちで負けたらダメだ。そんなことは、言われなくたって分かっている。だから、次節対戦相手であるデュッセルドルフが首位ドルトムントに勝ったという事実も、ただの1試合の結果に過ぎない。
「試合が始まれば関係ない。(デュッセルドルフは)自信を持っているかもしれないけど、僕らがそれを上回る気持ちでいかないといけないし、そういうのが大事になると思います。ホームゲームだし。もちろん戦い方は、考える必要があるけど、アグレッシブに強気でいくべきだと」
勝てない時期が続くと、気持ちが受け身になってしまう。だが、どこかで吹っ切って、やれることからやっていこうというふうに、気持ちを切り替える必要がある。フライブルク戦の原口、そしてハノーファーからは、そうした気配が感じられた。下位脱出に向けて、デュッセルドルフ戦には必勝態勢で挑む。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日生まれ。秋田県出身。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2018-19シーズンからは元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU16監督を務める。「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)、「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」(ナツメ社)執筆。オフシーズンには一時帰国して「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。