「柏に何が足りないのかと言ったら…」引退する栗澤僚一の“指導者目線”と“野心”

カテゴリ:Jリーグ

鈴木潤

2018年12月03日

「試合と同じような雰囲気、状況で、練習ができているか?」

柏は33節のC大阪戦で、9年ぶりのJ2降格が決まった。栗澤はここ数年、チームがタイトルを取れなくなった要因についても語っていた。

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 栗澤は最後までチーム、そして自身に対しても厳しい目を向ける。
「ここ数年はタイトルを取れない。何が足りないのかといったら、試合と同じような雰囲気、状況で、チームとして練習ができているかと言われれば、特に今年は健さん(岩瀬健監督)に代わるまではそういう雰囲気はなかった。ただ、練習で厳しくやったものに関しては、ラスト2試合みたいに結果が出てくるわけだから、それを知っていながらも練習からそういう雰囲気にできなかった自分の責任でもある。そこはみんなももっと真剣に考えなければいけないし、そういう日頃の練習の大事さはみんなに分かってほしかった」
 
 しかし選手の立場では、特に戦術面やチームマネジメントに関して、監督に「こういう戦い方をした方がいいのでは?」と進言することは難しい。そこで栗澤が考えたのが、選手という立場ではなく、違った立ち位置でチームにアプローチできれば苦しい状況を変えられるのではないか、ということだった。
 
「タイトルを取ってきた選手も少なくなってきている。良い雰囲気と良い練習があってこそのタイトルだから、それを知る人が伝えていくべきだと思っている。次のステージでは、今まで感じたことを今度は伝える側としてチームのためになれればいい」
 この言葉から、栗澤はクラブに残り、何らかの形でチームと関わっていくと推測される。
 
 タイトルを取り続けてきた時のように、再びチームを強くしたい――。
 
 その想いを胸に、栗澤はユニホームを脱ぎ、次のステージに向かうことを決心した。セレモニーでは涙を流したが「(引退に)後悔はない」と話している。
 
 むしろ未来に向かう彼の表情は、野心に満ち溢れていた。
 
取材・文●鈴木 潤(フリージャーナリスト)
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