「バイエルン戦で勝てば、勢いに乗れると思う」
フライブルク戦は途中出場だった大迫勇也も、現状を冷静に分析する。
「シーズンのなかでは、絶対にこういう時期は来るし、しばしば起こりうることだと思う」
確かにチームは今、リズムを崩し、調子を落としてしまっている。
良い時のブレーメンは、パスに対し、もらいに動く選手、スペースに抜け出す選手、サポートする選手と、複数選手の連動があった。だがここ数試合は、「こうすればこうなる」という確信のもとでのプレーがあまり見られない。だから、パスの出しどころがなく、切り替えが遅いし、プレースピードも全然上がってこない。
「シーズンのなかでは、絶対にこういう時期は来るし、しばしば起こりうることだと思う」
確かにチームは今、リズムを崩し、調子を落としてしまっている。
良い時のブレーメンは、パスに対し、もらいに動く選手、スペースに抜け出す選手、サポートする選手と、複数選手の連動があった。だがここ数試合は、「こうすればこうなる」という確信のもとでのプレーがあまり見られない。だから、パスの出しどころがなく、切り替えが遅いし、プレースピードも全然上がってこない。
それでもこのフライブルク戦では、4連敗になりそうだった試合展開から、土壇場のゴールで同点に持ち込んだ。終盤、次々にオフェンスの選手を投入し、何度も連続でチャンスを作り出した。
63分から出場した大迫は、ミスパスが多いブレーメン選手のなかでしっかりとボールを収め、味方へパスを正確に繋ぎ、空中戦で脅威となるなど、同点劇に貢献。現状については、こう語っている。
「前に人数をかけられれば、チャンスも増える。僕がトップ下をやってもいいし、2トップが前にいれば、それで時間作れる。マックス(クルゼ)と2人、それにプラス誰かいてくれれば、時間を作れるし、良い攻撃ができると思っています。ただ、後ろのバランスとかの兼ね合いもあって、色々と試行錯誤してるんじゃないかなと思います」
そして視線は、次の試合へ。
「この勝点1を、良しと捉えています。次の相手はバイエルンですけど、今シーズンはあまり調子が良くないのでね。ホームだし、勝てればもう一回、また勢いに乗れると思います。頑張ります」
気持ちが下向きになると、悪いところにばかり目が行きやすい。だが、全てがうまくいっていないわけではない。良いプレーもたくさんあるわけだ。そこに目を向け、ポジティブなものを集め、大事に持ち帰っていく。
そうした作業を積み重ねていくことで、また全てがかみ合うようになってくるはずだ。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日生まれ。秋田県出身。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2018-19シーズンからは元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU16監督を務める。「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)、「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」(ナツメ社)執筆。オフシーズンには一時帰国して「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。