森保一監督が見せた""兼任監督"の一面――東京五輪の"助っ人"に北川航也が急浮上か

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2018年11月17日

東京五輪のオーバーエイジ候補の顔も少しずつ見えてきている

堂安も絶対的な存在ではない。やはりオーバーエイジの力は必要になるだろう。(C)SOCCER DIGEST

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 その世代、世代でウィークポイントは異なるが、東京五輪世代についていえば攻撃陣は堂安を始め三好康児や久保健英、伊藤達哉ら高い攻撃力を持つ選手が多数いる。
 
 だが、まだ堂安以外は絶対的な存在ではない。彼らはこれから伸びていく可能性があるが、その逆もある。
 
 また、五輪のような国際大会では、前線には点が取れるタフな選手が必要になる。実際、リオ五輪の時のブラジルはネイマールを招集するなど、各国とも前線に強力な選手をオーバーエイジ枠として起用している。日本も興梠慎三がオーバーエイジ枠で参加した。手倉森誠監督は、前線で起点になれる選手、ゴールに貪欲で点が取れる選手として興梠を招集したのだ。
 
 その点から考えるとスコアラーとして覚醒し、堂安とのコンビネーションに磨きがかかっている南野は東京五輪のオーバーエイジ枠の候補のひとりに入っているのは間違いない。
 
 そして、北川だ。
 北川は、ここまでリーグ戦31試合で13得点と結果を出し、売出し中の選手だ。今年は途中加入したドゥグラスと組むことで、DFの背後を取る動きなどを学び、FWとして点を取るためのバリエーションを増やした。来年、さらにブレイクして海外へということもあり得るが、2020年まで国内で活躍していればオーバーエイジの可能性は膨らむ。

 国内組のオーバーエイジに期待するのは、リオ五輪の時の苦い経験があるからだ。当初、海外組の久保裕也を招集予定だったが、クラブの猛烈な反対にあい、招集が不可能になってしまった。主力で重要な戦力だっただけに手倉森監督のショックは非常に大きく、このためだけではないが結局、チームはグループリーグを突破できずに敗退した。
 
 今後も海外組の選手は、五輪出場を断られる可能性がある。とりわけ、欧州で活躍している選手、例えば南野にしても、堂安にしても招集できない危険性がある。

 仮に北川がこのまま清水エスパルスで活躍しながらA代表でチームのやり方を学び、本大会の時にオーバーエイジ枠で入れば、戦術理解に時間を割くことなく、スムーズにチームに溶け込み、プレーし、チームを引っ張ることができる。今後もA代表に呼び、堂安、南野らと絡ませていくだろう。

 森保監督になって4試合目、A代表の新たな攻撃のユニット作りに加え、東京五輪を戦うチームの助っ人となる南野、北川らのオーバーエイジ候補の顔も少しずつ見えてきている。
 
取材・文●佐藤俊(スポーツライター)
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