川崎連覇と残留争いの混沌――個のスキル格差が消滅するなか明暗を分けるのは「哲学」だ!

カテゴリ:Jリーグ

加部 究

2018年11月14日

一発勝負なら川崎や鹿島にも勝てる可能性を秘めたチームは少なくないが…

安定した強さを発揮してきた川崎に対して、今季の柏は低空飛行を続け、残留争いから抜け出せなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 短絡的に結果を求めれば、堅守速攻は有効な手段かもしれない。明日の身が知れない監督に選択を委ねれば、取り敢えず対症療法的な延命策への誘惑にかられるかもしれない。だからこそ重要なのは、チーム強化の責任者たちの哲学になる。実績や知名度優先で監督を招聘して丸投げを繰り返すクラブと、明確な指針に基づき指揮官を選任するクラブでは、歳月とともに違いが広がっていく。
 
 その点で川崎は、他のクラブに先駆け大胆な変革へと踏み切った。6年前に風間八宏監督を招聘すると、結果に無頓着なのかと見紛うほど内容に固執する同監督を信頼し続けた。前監督はスタイルを植え付けたまま去り、鬼木達監督が引き継いで開花するのだが、この間には協調したフロントの仕事ぶりも後押しした。家長昭博、阿部浩之、奈良竜樹ら補強してくる選手たちが立て続けにフィットし、今年はシーズン途中でエドゥアルド・ネットが移籍し、大島僚太も故障で何度か離脱するなど肝心なハンドル部分が落ち着かなかったのに、新加入の守田英正や下田北斗が何事もなかったかのように支えた。中村憲剛を筆頭に高齢化は気になるところだが、育成の成果が表われ始め、三好康児、板倉滉らをレンタルに出し、一方で大学から適材を獲得するなど綿密な中長期計画も進む。鹿島に続き、明確な色に染まった伝統が始まりつつある。
 
 ピッチ上の個のスキルには、急速に差異が消滅しつつある。それだけに今後はフロントの整備状況が一層明暗を分けることになる。一発勝負なら川崎や鹿島にも勝てる可能性を秘めたチームは少なくない。しかし今のところ、同等の安定を見込めるチームは見当たらない。
 
文●加部 究(スポーツライター)

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