アジア初制覇の鹿島。節目の20冠を達成したとはいえ、タイトルへの欲が枯れることはない

カテゴリ:Jリーグ

小室功

2018年11月12日

タイトルへの欲は、ますます燃えさかっている

鹿島の伝統は、MVPを受賞した鈴木ら若手に引き継がれていくだろう。(C)Getty Images

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 国内ではダントツの19冠の栄誉にあずかりながら、なぜか縁遠かったアジアの頂き。グループステージはほぼ突破するものの、その先で、いつも行く手を阻まれた。決勝進出どころか、4強入りも果たせず、もどかしさを募らせた。
 
 ACLへの初参戦は2002-03年だ。アジアクラブ選手権とアジア・カップウィナーズカップが統合される形で、スタートし、ちょうど1回目。鹿島は01年のJリーグチャンピオンとしてタイ・バンコクで行なわれたセントラル方式の準々決勝リーグに臨んだ。
 
 トニーニョ・セレーゾ監督の下、すっかり主軸に成長した小笠原や中田浩二がいて、秋田豊、相馬直樹、名良橋晃、大岩といった円熟味を増す面々が最終ラインにそろう。2トップはエウレルと平瀬智行(エース格の柳沢敦は残念ながら怪我のため欠場)。攻守にバランスのとれたチームながら、同組のBECテロ・サーサナ(タイ)、上海申花(中国)、大田(韓国)に対し、いいところがなく、まさかの1分け2敗で、大会をあとにする。
 
 かれこれ20年前、ACLの前身であるアジアクラブ選手権に初めて出場。ジーコTDは「鹿島の名をアジア地域の人たちに広く知ってもらうためにクラブの大会で優勝する意義は大きい」と、その重要度を強調していた。
 
 ACL初制覇の反響はやはり凄まじい。クラブの公式インスタグラムにはアラビア語や英語によるコメントが多数寄せられている。
 
 アジア王者の鹿島はテヘランから帰国後、しばしの休息を経て、次なる目標に向かう。それは天皇杯であり、Jリーグのラスト2試合であり、12月のクラブワールドカップ(CWC)だ。2年前、Jリーグを制し、開催国枠でCWCに参戦。決勝の舞台にまで上りつめ、スペインのメガクラブ、レアル・マドリーを本気にさせたのは記憶に新しい。
 
 節目の20冠を達成したとはいえ、タイトルへの欲が枯れることはない。それどころか、ますます燃えさかっている。
 
文●小室功(オフィス・プリマベーラ)
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