パケタの獲得交渉に際しても、やはりレオナルドが最大のキーパーソンだった。ガッリアーニ補佐時代に若き日のカカ、アレッシャンドレ・パト、チアゴ・シウバなどを迎え入れるなど母国ブラジルに絶大なコネクションを持つレオナルドは、まずネイマールからパリSGに誘われていた本人を環境の良さや出場機会の多さなどを挙げて即座に口説き落とす。そして、保有権の70％を持つフラメンゴ（彼の出身クラブでもある）、残り30％を持つ投資会社＆家族からも素早く合意を引き出したという。
 
　フラメンゴは契約解除違約金を5000万ユーロ（約65億円）に設定していたが、これも3500万ユーロ（約45億5000万円）＋ボーナスに値引きさせる。さらに数回の分割払いまで相手方に呑ませた。こうしてFFPの監視下に置かれるほど補強費が豊富ではないミランが、金満のライバルクラブたちを出し抜くことに成功したのだ。
 
　こうした経緯に対して『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙は、「レオナルドがいきなり爆発した。ブラジル・コネクションと交渉力がモノをいった」と賛辞を送っている。
 
　復権が叫ばれて久しいミラン。ピッチ内はもちろんジェンナーロ・ガットゥーゾ監督の領域だが、ピッチ外はレオナルドがその大きな鍵を握っているのは間違いないだろう。