• トップ
  • ニュース一覧
  • 【小宮良之の日本サッカー兵法書】 育成――環境を与え、我慢し、ハンデの先にある長所を見抜く

【小宮良之の日本サッカー兵法書】 育成――環境を与え、我慢し、ハンデの先にある長所を見抜く

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年09月30日

身体が大きい方が資質はあるように思えるが…

身体が大きいことは利点ではあるが、それだけを重視していたら、イニエスタ(写真)やシャビのような選手は生まれない。実際、偏ったスカウティングによって開花しなかった才能も数多くあるだろう……。 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 小説『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で登場する子どもたちのキャラクターを作り上げた時、プロとして成功した選手たちの子ども時代を反映させている。
 
 そこで共通しているのは、彼らの多くが子どもの時に自分と向き合い、自らを見つめ、改善させていた点である。トップレベルで活躍するような選手は、すでに12歳くらいで老成した部分を抱えているのだ。
 
 そこで子どもの本質を見抜くには、指導者側が考えを硬直させてはならない。例えば、スカウティングをした時、身体が大きく、頑健な子どもの方がアスリートとして資質があるように思える。実際、両親の身体の大きさという、遺伝まで気にするケースもある。
 
 しかし、これは一面的に正しくても、一面的には正しくない。
 
「小さくても活躍している子どもに、まずは着目するべきだ。なぜなら、それだけの能力があって、大きな子どもを技術とスピードで捻っているのだから。それは大人になったとしても、十分通用するはずだ」
 
 これはヨハン・クライフが残した言葉だが、実に奥が深い。ボールゲームを尊んだオランダ人ならでの視点か。
 
 むしろ、小さな子どもに目を向けるべき――発想の転換によって、正解も変化するのだ。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
【関連記事】
【セルジオ越後】勢力図が変わりつつあるACL。アントラーズはリベンジを果たせるか
【セルジオ越後】11月のキルギス戦は東京五輪を見据えた強化の場にできないだろうか
「遠藤と柴崎のコンビを推す」世代交代が進む“森保ジャパン・理想の先発11人”は?
「なんか1人変な人いる」吉田麻也がサッカースクールの少年たちと記念撮影! そこに違和感なく写る”ボビさん”
“バルサ化”に引き寄せられた男。J3クラブも獲得を見送ったアタッカーがイニエスタのパスで輝きを放つまで
【現地発】ヘタフェは欧州屈指の「アウト・オブ・プレー」の使い手。柴崎岳が“使われない理由”もそこにある

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト シーズンラストの決定版
    5月16日発売
    2023-2024シーズン
    欧州5大リーグ
    BEST PLAYER
    元選手・識者たちが徹底討論!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ