• トップ
  • ニュース一覧
  • 【小宮良之の日本サッカー兵法書】 大舞台で日本代表に幾度も“悲劇”を引き起こさせたものの正体

【小宮良之の日本サッカー兵法書】 大舞台で日本代表に幾度も“悲劇”を引き起こさせたものの正体

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年08月22日

06年、14年、そして今夏のロシア…

敵将フース・ヒディンクの講じる様々な策に対応できなかった06年W杯のオーストラリア戦。終盤であまりにショッキングな逆転負けを喫することとなった。 (C) Getty Images

画像を見る

 その一方で、日本サッカーは90分のマネジメントが決してうまくない。
 
 06年ドイツ、14年ブラジルW杯では、ともにグループリーグ初戦で、オーストラリア(1-3)、コートジボワール(1-2)を相手に先制しながら、終盤に逆転負けを喫した。
 
 相手にペースを奪われると、それを奪い返せない。ベンチワークだけでなく、ペースを変えられるような選手も見当たらないのである。これは、ロシアW杯の決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦で起こった悲劇(後半途中まで2-0でリードするも、土壇場で逆転負けを喫した)に繋がっている。
 
 試合のなかで相手が戦い方を変えるのは当たり前のことなのだが、日本サッカーはそれを苦手にしている。
 
 監督の采配もひとつの問題だろう。しかし、選手自身の柔軟性にも改善の余地がある。日本人選手は研究心や規律には優れるものの、欧州や南米の選手のような駆け引きのうまさが発達し切っていない。自らの判断で流れを読むという点は、長所の裏返しの短所とも言えるか……。
 
 もっとも、それは鍛えられなくはない。海外でのサッカーを経験した選手が逞しく映るのは、この点にある。様々なプレー環境を経験し、適応することで、自ずと柔軟さを身につけている。判断力が向上するだけでなく、肉体的にも下半身が強くなっていたり、身体の使い方に長けていたりと、肉体まで変化しているのだ。
 
 臨機応変さ。
 
 その意味の奥は深い。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
【関連記事】
【セルジオ越後】現役の本田が代表を指揮? どれも中途半端に終わらなければいいけどね
元スペイン代表の両雄が天皇杯で激突!! F・トーレスの来日初ゴールなどで鳥栖が3発快勝!
試合には敗れるも… 横浜デビュー&フル出場の久保建英の出来は?
久保裕也がニュルンベルクで練習に初参加! 公式ツイッターが提案する「久保に必要なドイツ語は…」
本田欠場のメルボルン・Vから大金星! 殊勲の2得点を叩き出した気鋭の日本人FWって?
井手口陽介が3度のリーグ制覇を誇る古豪へ加入! 独誌は「強力な日本人ボランチを引き抜いた」と太鼓判

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ