【2014南関東総体】代表校の強さの秘密を探る|神奈川・麻布大附属

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2014年06月26日

持ち前の攻撃サッカーで全国の頂点を目指す。

攻撃のタクトを振るうMF塚越。出場権の懸かった準決勝の桐蔭学園戦で1ゴールを決めた。(C) SOCCER DIGEST

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 攻撃のコンセプトは『自由』だ。前線の選手はポジションにこだわらず、フレキシブルに動くが、お互いの個性に対し理解を深めており、非常にスムーズな連動性を生み出している。
 
 裏に抜ける動きが上手いFW竿下征也と、スペースを作る動きとドリブルが得意なFW阿部速秀の2トップの後方に、豊富な運動量とキープ力、パスセンスを兼ね備えたMF塚越亮と、ドリブルに自信を持つMF中山克広を置く。さらにその後方には攻撃色の強いボランチの伊藤太玖を配置している。
 
「時には上がって、サイドに流れたり、時にはボランチまで落ちたり、ボールを失わないように、しっかりと2トップにつなげることを意識している」と語る塚越が、攻守のバランスを見ながら、ボールを受けられる位置に自由に動く。この動きに合わせ、「塚越はパスが出せるし、竿下が裏に抜けられるので、僕はそれでできたスペースを突くなど、3人目の動きを意識している」と語る阿部が、攻撃の幅を広げる。中山もドリブルで仕掛けながら、2トップとの適度な距離感をキープ。そして、左の梅崎奨大と右の近藤秀太の両SBは、高い位置に張り出して、攻撃にバリエーションを加える存在となっている。
 
 向上との決勝戦では、この攻撃が見事にはまった。立ち上がりから塚越を起点に、素早いパスワークを見せると、前半6分に塚越、竿下、阿部が流れるようなパスワークを見せ、最後は阿部が冷静に先制点を決めると、36分にも塚越、阿部とつなぎ、阿部のループパスを中山が決めた。2-1で迎えた後半33分(40分ハーフ)には、バイタルエリアで伊藤、塚越、阿部とつなぎ、阿部のスルーパスに抜け出した竿下が、試合を決定づける3点目を追加した。
 
「3点とも、理想の崩しができた。特に1点目は今大会最高の崩しだった」
 塚越が胸を張ったように、自分たちが思い描いている形を実践し、勝利を収めたことで、大きな自信を手にした。
 
「インターハイは本当に楽しみ。自分たちの意識の高さを測れる大会になると思う。選手を始め、僕らスタッフたちの『本気度』が問われる大会になる。高い意識を持って、攻撃的に全員で戦うことが、選手権への自信にもつながってくる」(安彦監督)
 
 今年から校名が麻布大渕野辺から麻布大附属に変わった。校名こそ変わったが、彼らの決意は変わらない。掲げた壮大な目標の本気度を、山梨のピッチで示すべく、彼らはさらにチーム一丸となり、自らのサッカーと心を研ぎ澄ます。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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