伝統のスタイルからさらなる「進化」を求めて。
苦しい道のりだった。9年ぶりの全国大会までの道のりは、長く、そして険しいものであった。
鹿児島実と言えば、これまで二度の選手権優勝を誇る名門中の名門であり、城彰二、遠藤保仁(G大阪)松井大輔、伊野波雅彦(ともに磐田)という4人のワールドカップ戦士のほか、那須大亮(浦和)、赤嶺真吾、上本大海(ともに仙台)、岩下敬輔(G大阪)といったOBを輩出している。
しかし、ここ数年は鹿児島城西と神村学園の台頭により、地区予選を突破できないシーズンが続いた。3年前に名将・松澤隆司総監督から、OBである森下和哉監督にバトンが渡り、「新生・鹿実」となったが、この2年間は立ちはだかる壁を打ち破れなかった。
監督就任3年目の今年、森下監督は新たなスタイルをチームに植え付けた。ボルシア・ドルトムントのユルゲン・クロップ監督が作り上げた「ゲーゲンプレッシング」だ。フィールドプレーヤー全員の豊富な運動量を前提に、攻撃時にボールを失った瞬間、すぐにボールサイドにいる選手がプレッシャーに行き、全体もスライドをしながら、コンパクトな陣形で前への圧力を強め、ボールを奪い返して再び攻撃をするというスタイルだ。
「自分が引き受けた以上、今までの鹿実からのさらなる『進化』がほしかった。『鹿実=走る、球際に負けない、空中戦に強い』というイメージから、それをベースにしながらも、そこからの進化がないと、なかなか勝つチームになれない」
低迷が続いていた母校を復活させるために、既存のスタイルからの「進化」が必要だと考えた森下監督は、選手たちに高い運動量を要求するゲーゲンプレッシングを採り入れる。変化はすぐに現われた。
今年のチームは、ディフェンスリーダーの内屋椋佑や前線のFW前田翔吾、福島立也をはじめ、昨年のレギュラーの大半が残り、共通理解やモチベーションが非常に高いチームだった。それだけに森下監督の言う「進化」をすぐに受け入れ、それをトライし続けた。すると県新人戦で優勝し、九州新人大会でも優勝。全員が走って、前への圧力を強めるサッカーは、強い鹿実を取り戻すきっかけとなった。
【南関東総体photo】代表校の強さの秘密を探る|鹿児島実
鹿児島実と言えば、これまで二度の選手権優勝を誇る名門中の名門であり、城彰二、遠藤保仁(G大阪)松井大輔、伊野波雅彦(ともに磐田)という4人のワールドカップ戦士のほか、那須大亮(浦和)、赤嶺真吾、上本大海(ともに仙台)、岩下敬輔(G大阪)といったOBを輩出している。
しかし、ここ数年は鹿児島城西と神村学園の台頭により、地区予選を突破できないシーズンが続いた。3年前に名将・松澤隆司総監督から、OBである森下和哉監督にバトンが渡り、「新生・鹿実」となったが、この2年間は立ちはだかる壁を打ち破れなかった。
監督就任3年目の今年、森下監督は新たなスタイルをチームに植え付けた。ボルシア・ドルトムントのユルゲン・クロップ監督が作り上げた「ゲーゲンプレッシング」だ。フィールドプレーヤー全員の豊富な運動量を前提に、攻撃時にボールを失った瞬間、すぐにボールサイドにいる選手がプレッシャーに行き、全体もスライドをしながら、コンパクトな陣形で前への圧力を強め、ボールを奪い返して再び攻撃をするというスタイルだ。
「自分が引き受けた以上、今までの鹿実からのさらなる『進化』がほしかった。『鹿実=走る、球際に負けない、空中戦に強い』というイメージから、それをベースにしながらも、そこからの進化がないと、なかなか勝つチームになれない」
低迷が続いていた母校を復活させるために、既存のスタイルからの「進化」が必要だと考えた森下監督は、選手たちに高い運動量を要求するゲーゲンプレッシングを採り入れる。変化はすぐに現われた。
今年のチームは、ディフェンスリーダーの内屋椋佑や前線のFW前田翔吾、福島立也をはじめ、昨年のレギュラーの大半が残り、共通理解やモチベーションが非常に高いチームだった。それだけに森下監督の言う「進化」をすぐに受け入れ、それをトライし続けた。すると県新人戦で優勝し、九州新人大会でも優勝。全員が走って、前への圧力を強めるサッカーは、強い鹿実を取り戻すきっかけとなった。
【南関東総体photo】代表校の強さの秘密を探る|鹿児島実