青森山田の名将は柴崎岳をいかにして育てたのか。天才少年がロシアW杯に挑むまでの軌跡

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2018年06月24日

何故、柴崎は順調にステップアップを果たしたのか

黒田監督もコロンビア戦を現地で観戦し、柴崎のプレーを目に焼き付けた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 そう指揮官に言わしめた柴崎は中学校3年生でプリンスリーグ東北、高円宮杯全日本ユース(現・高円宮杯プレミアリーグ&チャンピオンシップ)にレギュラーとして出場。高校2年生の時には、日本の10番としてU-17ワールドカップ出場、青森山田ではチームを選手権準優勝に導いた。そして、高校ナンバーワンMFとして鹿島アントラーズ入団を早々に勝ち取ったのだ。

 黒田監督の献身的な6年間により着実に成長を遂げたが、柴崎の成長において非常に重要なポイントがひとつあった。それが彼のメンタリティーだ。

「取り組む姿勢に関しては、他の選手より群を抜いていた。自分の技術に一切奢る事無く、常に自らの取り組みで仲間に示そうとしていた。それをしながらも、自己の成長には一切手を抜かない。練習でも他の選手にも自分にも厳しかった。だからこそ、彼の言葉にはすべて説得力があった」(黒田監督)
 この姿勢は26歳になった今も変わらない。黒田監督は今年の1月にこう話をしている。

「岳は日本代表に絶対に必要な選手だと思う。一瞬で勝負を決められる、トドメをさせる選手は、日本代表を見ても、彼以上の選手はいないと思う。局面打開では日本の中で彼に勝るものはいない。だからこそ、将来的には日本の司令塔にならないといけない存在だと思います。そのためにも(スペイン)1部での活躍で証明して、『呼ばざるを得ない状況』を作らないといけません」

 この予言は的中した。柴崎の活躍は代表に呼ばざるを得ない状況はおろか、『中心に置かざるを得ない状況』に。そして、立場は劇的に変わり、日本の司令塔としてワールドカップの舞台で十分な存在感を見せている。

 黒田監督はモルドリバ・アリーナのスタンドからコロンビア戦を観戦した。大観衆の目の前で輝きを放つ教え子の姿を、感慨深い表情で見つめていたことだろう。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【関連記事】
【セネガル戦のスタメン予想】サプライズがあるなら…。両サイドは右に武藤、左に原口か
セネガル戦前日会見で“珍質問”を受けた吉田麻也。そして俳優・竹内涼真からの質問には…
乾貴士がツイッターで謝罪もサポーターの反応は真逆!獅子奮迅のプレーに称賛の嵐
「肉体的な強さだけではない」。西野監督が前日会見で明かしたセネガルの警戒ポイント
【ロシアW杯】世界の“半端ない”美女サポたちに脚光!? SNSで「セクシーすぎる」と話題沸騰

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ