チェルシーでは18歳でキャプテンを務め、イングランド代表でも精神的支柱としての役割を担ったウィルキンス。その人間性は高く評価されていた。
 
　それゆえに今回の訃報を受けて、当然ながら多くの人々が悲しみに暮れ、彼の冥福を祈るとともに、偉大なフットボーラーへの想いを語っている。
 
　チェルシーは「このクラブに関連する全ての人間が、選手、キャプテン、アシスタントコーチであったレイ・ウィルキンスの逝去の報を受け、悲しみに打ちひしがれている。安らかに眠れ」との声明を公式ツイッターなどで発表した。
 
　マンチェスター・Uは公式サイトで、哀悼の意を表すとともに、クラブ関係者、OBの追悼コメントを紹介している。
 
「とても悲しい。レイは偉大なサッカー人であり、誰からも尊敬され、愛された」（サー・アレックス・ファーガソン）
 
「ユナイテッドのファンだった僕にとって、レイはいつも憧れの存在だった。そして彼は代表選手としてのプライドを持ってプレーしていた」（デイビッド・ベッカム）
 
「彼とは十代の時から代表チームでともに戦い、ユナイテッドでチームメイトとなってからは親友となった。レイは常に、真の紳士であり続けた」（ブライアン・ロブソン）
 
　また、現在は人気コメンテーターで、現役時代はウィルキンスとともにイングランド代表として戦ったガリー・リネカーは「レイと一緒にプレーすることは大きな喜びだった。彼ほど有能で、そして優しい人間はいなかった」と、偉大な先輩の死を惜しんだ。
 
　一方、ミランは４日に行なわれたミラノダービーの前、公式ツイッターに「あなたが教えてくれたように、今夜、我々は戦う」と綴り、試合前にはレジェンドのフランコ・バレージが花束とウィルキンスの名前と背番号８がプリントされたユニホームをサポーター席の前に供えた。
 
　試合はスコアレスドローに終わったが、ミランは全選手が高い集中力を保ち、最後まで気合の入ったプレーを見せ続けた。
 
　また、同じくミランのレジェンドであり、同僚時代、ウィルキンスやヘイトリーとはプライベートでコンサートを観に行くほど仲の良かったパオロ・マルディーニも、自身のフェイスブックで「僕は戦い続けることを、あなたから学んだ」とのメッセージを、ウィルキンスの写真とともに投稿している。
 
　もちろん、彼が渡り歩いた他のクラブ、FA、そしてヨルダン・サッカー協会も、哀悼のメッセージを送っている。改めて、偉大なサッカー人の冥福を祈りたい。