新天地の決め手になったのは「厳しい環境と小嶺監督の実績」(鈴木)
「ワールドカップのメンバーに選んでもらい、出場機会もたくさん与えてもらいました。でも、大会以前の遠征でメンバーから外れることも多く、代表に選ばれるかどうかの当落線上にいた自分の現在地が、今回の決断で一番大きいところだと思います」(鈴木)
確かに最終的にはメンバー入りを果たし、鈴木は全4試合に出場。うち3試合はスタメンを勝ち取った。グループステージの第2戦で敗北したフランス戦。大会を制したイングランドとのラウンド16(PK負け)。世界の強豪と渡り合うための懐刀として、U-17日本代表を率いた森山佳郎監督から重宝されていたのは確かだ。
ただ、本人は世界のトップレベルを目の当たりにしつつ、同時に代表のチームメイトたちを見て、「自分の技術や考え方が遅れていると感じていた」(鈴木)。
21名の枠に滑り込むも、コンスタントに呼ばれていた代表から徐々に遠ざかった事実。「今の環境にいて、プロになれたとしてもそこで活躍が出来るのかと。将来のことを考えた時になかなか難しい」と、鈴木は誰よりも重く現状を受け止めていた。
自問自答をするなかで舞い込んできた移籍の話。小嶺監督も「うちの学校もびっくりしたし、僕もびっくりした」と当時を振り返ったように、長崎総科大附側も最初は驚きがあったという。しかし、「ステップアップするために鍛えてあげたい」という指揮官の意向と、「決め手はより厳しい環境と小嶺監督の実績でした。実際に大久保嘉人選手などを育ててこられた方なので、その熱い部分を求めていた」という鈴木の思惑。両者の考えが合致し、今回の転籍が実現する運びとなった。
転校を決意するにあたり、家族とC大阪のスタッフに相談。クラブ側にも理解を得てもらい、長崎の地に渡ることが決まった。
それほどまでに熱い想いを持ち、環境の変化を望んだ鈴木。「厳しい環境だけど、チャンスを掴むために僕は長崎に出てきた」という想いに嘘偽りはない。
小嶺監督にも熱意は伝わっており、「プレーだけを見れば高校で通用する。あとはフィジカルとハートの部分を鍛えてあげたい」と全力でバックアップを約束。ポジションも攻撃的な位置を基本線に、ポテンシャルを最大限に引き出せる場所を探すと明言している。
「もう1回チャレンジをする。そして、セレッソのサポーターに認めてもらえるようになって、日の丸を背負いたい」(鈴木)
同い年の中村敬斗(G大阪)、菅原由勢(名古屋)、ひとつ下の久保建英(FC東京)らは、Jのピッチに立ち、すでに結果を残している。彼らとは異なる道を選んだ男の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
確かに最終的にはメンバー入りを果たし、鈴木は全4試合に出場。うち3試合はスタメンを勝ち取った。グループステージの第2戦で敗北したフランス戦。大会を制したイングランドとのラウンド16(PK負け)。世界の強豪と渡り合うための懐刀として、U-17日本代表を率いた森山佳郎監督から重宝されていたのは確かだ。
ただ、本人は世界のトップレベルを目の当たりにしつつ、同時に代表のチームメイトたちを見て、「自分の技術や考え方が遅れていると感じていた」(鈴木)。
21名の枠に滑り込むも、コンスタントに呼ばれていた代表から徐々に遠ざかった事実。「今の環境にいて、プロになれたとしてもそこで活躍が出来るのかと。将来のことを考えた時になかなか難しい」と、鈴木は誰よりも重く現状を受け止めていた。
自問自答をするなかで舞い込んできた移籍の話。小嶺監督も「うちの学校もびっくりしたし、僕もびっくりした」と当時を振り返ったように、長崎総科大附側も最初は驚きがあったという。しかし、「ステップアップするために鍛えてあげたい」という指揮官の意向と、「決め手はより厳しい環境と小嶺監督の実績でした。実際に大久保嘉人選手などを育ててこられた方なので、その熱い部分を求めていた」という鈴木の思惑。両者の考えが合致し、今回の転籍が実現する運びとなった。
転校を決意するにあたり、家族とC大阪のスタッフに相談。クラブ側にも理解を得てもらい、長崎の地に渡ることが決まった。
それほどまでに熱い想いを持ち、環境の変化を望んだ鈴木。「厳しい環境だけど、チャンスを掴むために僕は長崎に出てきた」という想いに嘘偽りはない。
小嶺監督にも熱意は伝わっており、「プレーだけを見れば高校で通用する。あとはフィジカルとハートの部分を鍛えてあげたい」と全力でバックアップを約束。ポジションも攻撃的な位置を基本線に、ポテンシャルを最大限に引き出せる場所を探すと明言している。
「もう1回チャレンジをする。そして、セレッソのサポーターに認めてもらえるようになって、日の丸を背負いたい」(鈴木)
同い年の中村敬斗(G大阪)、菅原由勢(名古屋)、ひとつ下の久保建英(FC東京)らは、Jのピッチに立ち、すでに結果を残している。彼らとは異なる道を選んだ男の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)