【2014南関東総体】代表校の強さの秘密を探る|鹿児島実

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2014年05月25日

ゲーゲンプレッシングで無失点を目指す。

ゲーゲンプレッシングからのスピーディーなカウンターは、鹿児島実の最大の武器だ。 (C) Takahito ANDO

画像を見る

 迎えたインターハイ予選。守備の要の内屋が怪我で離脱し、エースの福島も怪我明けでコンディションが不十分の状況で臨み、苦戦の連続だった。3回戦の志布志戦では、0-1から残り15分でひっくり返し、準々決勝の鹿児島中央戦は延長戦の末に勝利と、ギリギリの戦いを強いられた。
 
 しかし、準決勝の鹿児島城西戦。『事実上の決勝戦』と言われたこの試合、彼らは気迫のゲーゲンプレッシングを披露する。
 
「相手のエース岩元颯オリビエを封じるというより、そこまでのパスを遮断する」と、内屋に代わってキャプテンマークを巻くCB奥村が語ったように、果敢にショートパスをつないで崩しにかかりながらも、ボールを奪われた局面からすぐに守備に切り替え、相手ボール保持者へのプレスを合図にスライドしながら、前にプレスを掛けていく。
 これがハマり、相手エースへのパスを寸断すると、鹿児島城西の攻撃そのものを沈黙させ、1-0の無失点勝利を飾った。
 
「選手たちがピッチで自分たちの力を出し切ってくれた。この勝利が大きかった」(森下監督)。「自分たちのサッカーで城西に勝てた。すごく自信になった」(福島)。
 
 この勝利が選手たちの自信を一気に深めた。
 
 決勝は、前半から5バック気味の出水中央に対し、ほぼハーフコートの試合を展開するが、相手の身体を張った守備に遭い、1点を奪うのがやっと。すると、試合終了間際にファーストシュートとなる直接FKを決められ、同点に追いつかれてしまう。嫌な展開となったが、深めた自信によって鹿実は精神的にも逞しさを増していた。
 
 延長戦も積極的に攻めた鹿実は、PK戦では4人全員が成功。出水中央を下して、ついに待望の全国切符を手にした。
 
「やっと全国の舞台に行ける。でも、全国で勝つためには、もっとチームのために走らないといけない」(福島)。「遠かった。みんなの力で壁を乗り越えられた。全国ではゲーゲンプレッシングで、無失点で抑えたい」(奥村)
 
 我慢の時を経て、進化を遂げた名門。インターハイに向けて、この勝利に奢ることなく、「ゲーゲンプレッシング」という、進化の証となった武器にさらなる磨きをかける。

【南関東総体photo】代表校の強さの秘密を探る|鹿児島実
【関連記事】
【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|京都橘編
【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|市立船橋編
【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|青森山田編
【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|流経大柏編
【U-18プレミアリーグ】5節ピックアップ・ゲーム[EAST]流経大柏 対 市立船橋
【U-18プレミアリーグ】1節ピックアップ・ゲーム[EAST]流経大柏 対 青森山田
【U-18プレミアリーグ】4節ピックアップ・ゲーム [WEST]京都橘 対 京都U-18

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2025年7月号
    6月10日(火)発売
    今、面白いクラブを総力特集‼
    ファジアーノ岡山
    徹底読本
    クラブが辿った奇跡のストーリーに迫る
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年7月3日号
    6月19日発売
    新生レアル・マドリー完全攻略読本
    シャビ・アロンソ新体制が始動
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ