何かと問題に直面するが、誰かが出てきて――。
夜、ひと気のない薄暗いターミナルから、路線バスで隣町ポンタ・ネグラ海岸の宿を目指す。だが夜で暗いため、バスがどこを走っているのかまったくわからない。
不安になって「ポンタ・ネグラはどこだ、どこだ」と騒いでいると、乗客たちが運転手や停まったバス停の客に訊きに行ってくれるなど次々と手を差し伸べてくれた。
ブラジル人はとても親切だ。困った人を助けることに生き甲斐を見出しているかのようだ。
やがて、やっと見慣れた景色が出てきた。「ここだ、ここだ」と無邪気に喜んでいると、お客さんたちは拍手でぼくを見送ってくれた。不安は一転、路線バスの旅は爽快なエンディングを迎えたのだ。
治安が悪く、システムが杜撰なブラジルにいると、便利で安全な日本で暮らしているぼくは何かと問題に直面する。だが、困ったことが起きるたびに、だれかが出てきて助けてくれた。
その親切がとても自然体のため、問題に直面したときの苛立ちを忘れて心が温かくなる。問題が起きるたびに、なぜかブラジルの印象がよくなっていくのだ。気がつけば、10レアルの後味の悪さも、すっかり消え失せていた。
不安になって「ポンタ・ネグラはどこだ、どこだ」と騒いでいると、乗客たちが運転手や停まったバス停の客に訊きに行ってくれるなど次々と手を差し伸べてくれた。
ブラジル人はとても親切だ。困った人を助けることに生き甲斐を見出しているかのようだ。
やがて、やっと見慣れた景色が出てきた。「ここだ、ここだ」と無邪気に喜んでいると、お客さんたちは拍手でぼくを見送ってくれた。不安は一転、路線バスの旅は爽快なエンディングを迎えたのだ。
治安が悪く、システムが杜撰なブラジルにいると、便利で安全な日本で暮らしているぼくは何かと問題に直面する。だが、困ったことが起きるたびに、だれかが出てきて助けてくれた。
その親切がとても自然体のため、問題に直面したときの苛立ちを忘れて心が温かくなる。問題が起きるたびに、なぜかブラジルの印象がよくなっていくのだ。気がつけば、10レアルの後味の悪さも、すっかり消え失せていた。