日本代表が21日からキャンプイン! 「W杯で勝つためにすべきこと」は?

カテゴリ:日本代表

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年05月20日

前回大会の成功を引き寄せた戦術変更とコンディショニング。

前回の南アフリカ大会では、高地対策を講じて現地入りした日本代表。初戦の勝利で波に乗った。(C) Getty Images

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約3週間後に迫ったブラジル・ワールドカップに向けて、日本代表が5月21日から鹿児島・指宿で事前合宿に入る。本大会での上位進出を目指す日本が、この準備期間においてやるべきこととは何なのか。4年前の南アフリカ・ワールドカップで、国内合宿から日本代表を追い続けた、当時の『週刊サッカーダイジェスト』代表班の谷沢直也編集長が、前回大会の流れを振り返り、本番までにチームに課せられるタスクを読み解く――。
 
 
 海外開催のワールドカップにおいて、初のグループリーグ突破――。2010年6月、岡田武史監督が率いる日本代表が南アフリカの地で掴んだ歓喜の要因を探ると、「守備的なスタイルへの変更」と「コンディショニングの成功」という、ふたつのポイントが浮かび上がってくる。
 
 ひとつ目の戦術変更については、最終的にベスト16進出という結果が出たために美談として語られがちだが、通常のチーム作りの流れにおいては考えられない出来事だった。もちろん、土壇場でのドラスティックな采配が成功をもたらしたのだから、指揮官の決断は評価されるべきものであり、当時の日本の実力を考えれば、守備的にゲームを進めていくのは、むしろ現実的な選択でもあった。
 
 しかし、アジア予選でも欧州遠征でも、一貫して4-2-3-1を採用し、高い位置からのプレッシングとショートパスを多用した攻撃で「世界を驚かせる」と息巻きながら、本大会開幕のわずか半月前に阿部勇樹をアンカーに置いた4-1-4-1を初採用し、守備時に全体のラインを下げて戦うというのは、エース・中村俊輔のスタメン落ちや本田圭佑の1トップ起用、楢﨑正剛から川島永嗣への正GK変更も含めて、チームの根幹を揺るがす「賭け」だった。
 
 これと同じことが、今回の日本代表に起きる可能性は限りなく低いだろう。昨夏のコンフェデレーションズ・カップでの惨敗を受け、試合の流れに応じて守備的にゲームを進めることはあっても、主戦システムの変更や大幅なメンバーの入れ替えに着手することは、アルベルト・ザッケローニ監督の23人の人選を見ても考えにくい。
 
 また4年前は、23人のメンバー発表後に韓国、イングランド、コートジボワールと、いずれも本大会出場国と強化試合を組んでいるが、今回はキプロス(5月27日)、コスタリカ(6月2日)、ザンビア(6月6日)と、格上と呼べるチームとの対戦はない。
 
 個人的には本大会の雰囲気を体感する意味でも、また唯一軸が定まらない1トップの一番手に誰が相応しいのかを見極めるうえでも、強豪国とのマッチメイクは必要だったと思うが、3か国の顔ぶれを見る限り、良いリズムのなかで、これまで培ってきたサッカーの内容を再確認しながら本大会に臨みたいという指揮官の意向が垣間見える。
 
 その自信の背景にあると見られるのが、昨年11月のベルギー遠征だ。ザッケローニ監督にとって大きかったのは、オランダ戦(2-2)で山口蛍と大迫勇也を、ベルギー戦(3-2)で森重真人という「東アジアカップ・デビュー組」を初めてスタメンで起用し、及第点以上のパフォーマンスを見せてくれたことだろう。これによって采配の幅は確実に広がり、その時々の選手の状態に応じて先発メンバーを組めるようになった。
 
 そこで注目されるのが、冒頭に挙げたふたつ目の要因である「コンディショニング」だ。6月14日の第1戦まで、残り約3週間。選手個々のパフォーマンスを最大限に引き出しながら、いかにして本大会にピークを持っていくのか。
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