浪速の至宝、宮本恒靖はガンバ大阪の近未来をどう見据えているのか

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年01月25日

「見るべきものを見て、学ぶべきものを学びたい」

今季のスカッドは38名で、ほぼ半数がU-23の選手だ。橋渡し役となる宮本の立ち居振る舞いが、チーム強化&運営の鍵を握る。(C)SOCCER DIGEST

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 宮本はチーム始動のおよそ10日前にはグラウンドに立っていた。U-23世代の若手が集う合同自主トレを監修し、フィジカルコーチのイ・チャンヨプ、コーチの山口智、児玉新、GKコーチの松代直樹らフルスタッフが集結。途中からは倉田秋や新加入の矢島慎也、泉澤仁ら主力級も加わって20名強に膨れ上がり、自主トレとは思えないほどの活況を帯びていった。
 
「昨シーズンの最後、U-23のほうがトップより1週間くらい早くシーズンを終えたんです。延長してトレーニングを続けてくれと言われたんですけど、それなら退団が決まっている選手とやるより、新シーズンの前に早く集まってやりましょうよと。思っていた以上に参加した選手たちの意識が高かったですね。競争が激しくなるのを個々が予感してるんでしょう。いい雰囲気でやれました。ミニゲームとかオフサイドなしやと言ってるのに、「ライン上げろ!」とか言ってる選手がいるし(笑)。レヴィーに見てもらう前に怪我をされたら元も子もないんで、あんまり飛ばさないようにと注意しました」
 
 U-23監督との兼務ながら、宮本自身、プロのトップチームを指導するのは初めての経験だ。当然、これまでとはアプローチも変わってくる。
 
「レヴィーは素晴らしい指導者だと思っているし、監督としての仕事の進め方、選手との接し方とか、それこそすべてを近くで見ながら学びたい。1週間をどう捉えて、J1とJ3のふたつの試合に臨んでいくのか。U-23監督とのバランスも見極めながら、自分に託された仕事をこなしていければと思っています」
 
 冷静に振る舞いつつも、どこか楽しそうに見えるのは気のせいか。
 
「若い連中が競争の中でどれだけ成長していくのか。例えば去年、高や髙江、芝本らはプロの先輩たちとほとんど一緒に練習をしてなかったけど、今季はようやくそれが叶う。どういう反応が出るのか楽しみですし、高卒の新人選手たちがどんな取り組みを見せてくれるのかも興味深い」
 
 そして最後に、聞きたい言葉が聞けた。やはり根っからの、G戦士である。
 
「トップは2年連続で無冠に終わってます。個人的に覇権奪回なんて言い方はあんまりしたくないんですけど、今シーズンのタイトルを狙いながら、これからもそこの立場に居続けられる、下地を作っていかなきゃいけないと思っています。そのために、自分にやれるだけのことをしたい。見るべきものを見て、学ぶべきものを学びたい」
 
 不惑を迎えた男はこれまでと同様、前だけを見据えている。
 
取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
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