スパレッティはミランにもユベントスにも行かない!?
3月にゼニト・サンクトペテルブルクの監督を解任されたルチアーノ・スパレッティを、ミラン、ユベントスの来シーズンの監督候補に挙げる声が多い。しかし私の情報源から集まってくるのは、来シーズンはどこの監督にもならない、という話ばかりだ。
解任だったため、あと1年残していたゼニトとの契約(年俸400万ユーロ=約5億6000万円)はまだ生きている状況で、それを解除して新たなクラブと契約を交わすとすれば、それに見合った契約条件、そして、あるいは、大きなモチベーションを与えてくれる野心的なプロジェクトが必要だ。いまのところそれを約束してくれるオファーは見当たらない。
スパレッティの立場になって考えてみよう。ミランに行くだろうか? 年俸は間違いなく下がるだろう。チームの状況はかなり困難なもので、しかもそこに手を入れたくともメルカート(移籍マーケット)で使える予算はきわめて限られている。それでもリスクを取ってオファーを受ける価値はどこにあるだろうか?
それではユベントスは? アントニオ・コンテ監督が来シーズンの続投を拒否して去ったその後釜に収まるとなれば、最初の黒星でマスコミが前任者との比較を始めるに違いない。そんな状況で良い仕事ができるだろうか?
そしてもうひとつ。外国の落ち着いた環境を知ってしまったいま、プレッシャーばかりが大きいイタリアを新しい仕事場に選ぶ必然性はあるのだろうか? 私に届いたSMSにはこう書いてあった。
「よほど刺激的な何かが飛び出さない限り、彼は動かない。信用していい」
たしかに、その言葉を信用してみる価値はありそうだ。
【翻訳】
片野道郎
翻訳者からのごあいさつ
イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
解任だったため、あと1年残していたゼニトとの契約(年俸400万ユーロ=約5億6000万円)はまだ生きている状況で、それを解除して新たなクラブと契約を交わすとすれば、それに見合った契約条件、そして、あるいは、大きなモチベーションを与えてくれる野心的なプロジェクトが必要だ。いまのところそれを約束してくれるオファーは見当たらない。
スパレッティの立場になって考えてみよう。ミランに行くだろうか? 年俸は間違いなく下がるだろう。チームの状況はかなり困難なもので、しかもそこに手を入れたくともメルカート(移籍マーケット)で使える予算はきわめて限られている。それでもリスクを取ってオファーを受ける価値はどこにあるだろうか?
それではユベントスは? アントニオ・コンテ監督が来シーズンの続投を拒否して去ったその後釜に収まるとなれば、最初の黒星でマスコミが前任者との比較を始めるに違いない。そんな状況で良い仕事ができるだろうか?
そしてもうひとつ。外国の落ち着いた環境を知ってしまったいま、プレッシャーばかりが大きいイタリアを新しい仕事場に選ぶ必然性はあるのだろうか? 私に届いたSMSにはこう書いてあった。
「よほど刺激的な何かが飛び出さない限り、彼は動かない。信用していい」
たしかに、その言葉を信用してみる価値はありそうだ。
【翻訳】
片野道郎
翻訳者からのごあいさつ
イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)