【選手権】元JリーガーGKコーチの薫陶を受ける仙台育英1年生守護神が裏方の3年生に感謝

カテゴリ:高校・ユース・その他

小林健志

2018年01月02日

「日頃の練習や生活面でも頼りになる存在になりたいです」

立ち上がりに失点を許した佐藤文だが、その後は好守で凌いだ。来年再びこの舞台に戻ってくることを誓った。写真:早草紀子

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 この試合では、前半3分にFW城市太志(3年)にミドルシュートを打たれ、これがクロスバーに当たってゴールに入るやや不運な形での失点だった。しかし佐藤文は「自分のキックミスから相手ボールになって、センターバック2人が被ってしまっての失点でした。自分のミスからだったのが悔やまれますし、止められなかったのも悔しいです」と悔やんだ。
 
 笹原GKコーチは「失点は失点。良いシュートでしたが、あれを止められるようじゃないとダメです。事故的なことが起きましたが、それもサッカーで、そうなった時にもしっかり対応しきれないといけません。そこがまだ遅いですね」とやや不運ではあったけれども、より良い対応を求めていた。
 
 それでも大舞台の2試合でゴールマウスに立って得たものは大きい。「相手の背後に何本か良いパントキックを蹴ることができたのは良かったです。1回戦も含めて1対1の対応や、飛び出し、判断の部分は良かったと思います」と通用したプレーには手応えを感じていた。
 
 自身の課題については「キックの課題がたくさんありますし、GKはみんなの中心にならなければいけないと言われていますので、まだそうなれていません。日頃の練習や生活面でも頼りになる存在になりたいです」とオフ・ザ・ピッチでも頼れる存在を目指している。
 
「今年はまだ3年生におんぶにだっこです」と笹原GKコーチが語る通り、佐藤文が守護神として活躍を続けられたのは、試合に出られず悔しい思いをした3年生GKたちの支えがあってこそ。笹原GKコーチが「バックアップに最適なキャラクター」というサブGK田中貴大は積極的にベンチからチームを盛り立て、登録メンバーに入ったGK稲村蒼は用具運びなど地道な仕事を全うした。
 
「彼らは下級生の想いを汲んでしっかりやってくれました。佐藤文が3年生になった時『先輩たちはこういう想いでいたのか』と分かるはずなので、彼らが助けてくれたことに報いてほしい」と、城福監督はバックアッパーの3年生たちの思いを汲んで佐藤文に成長してほしいと語る。また佐藤文自身も「3年生の中でも(田中)貴大君には寮でもお世話になっていたので、今日負けて申し訳ないですし、いつも支えてくれたので、ありがとうという気持ちしかありません」と、悔しい想いをしながら自分を支えてくれた3年生GKたちへの感謝の言葉を口にした。
 
「3年後またアルビレックスに戻れるような選手になってほしい」と城福監督もプロへの有望株と期待をかける佐藤文。
「来年もこの舞台に戻ってくるという意思を持ってこれから練習していきたいです。プレミアリーグとプリンスリーグの差も感じたので、プレミアリーグ昇格を目指したいですね」
 
 今後も笹原GKコーチの厳しい指導の下、頼れる守護神へ成長できるか。プロを目指す佐藤文の今後に期待したい。
 
取材・文●小林健志(フリーライター)
 
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