[高校サッカー選手権２回戦]青森山田 ５-０ 草津東／１月２日／フクアリ

　連覇を目指す青森山田に勝利をもたらしたのは、やはりエースのゴールだった。
 
　１月２日に初戦を戦った青森山田は草津東から５得点を奪い、危なげなく３回戦へと駒を進めた。

　前年度王者はやや固さがあったのか、テンポ良いのパスワークや迫力のあるサイドアタックで攻撃を仕掛けるも、なかなか得点を奪えない。しかし、その流れに終止符を打ったのが、神戸入団内定のMF・郷家友太（３年）だった。
 
　１点目は前半37分。左サイドを打開した檀崎竜孔（２年）からクロスが入ると、「ニアに（中村）駿太が入っていくのが見えたので、相手が付いていくと思ったのでファーに逃げてボールを待っていました。ボールは相手を超える瞬間しか見えていなかった」という動き出しの良さと抜群の得点感覚でネットを揺らした。そして、２点目はハーフタイムの直後。後半８分に素早くこぼれ球に反応すると、体勢を崩されながらも左足を振り抜く。「２点目はスペースと時間がなかったので、打てば何か起こると思った」と本人が話したように、こちらも嗅覚の良さを生かした郷家らしい一撃だった。
 
　自身の２ゴールを含む５得点の快勝。昨年の初戦・鵬翔戦と同様の結果となり、連覇を目指す青森山田と昨年以上の活躍を目標に置く郷家は最高のスタートを切った。しかし、本人に浮かれた様子はなく、すでに明日の３回戦に気持ちを切り替えている。なぜならば、優勝候補の一角・長崎総科大附とのビックマッチを迎えるからだ。加えて、相手にU-18日本代表のチームメイトで今大会の得点王候補・安藤瑞季（３年／C大阪入団内定）がいる。当然、どのような試合でも闘志を燃やすのだが、郷家にとって好敵手との対戦は特別なもの。

「大会始まる前に安藤と連絡を取って、当たりたいねと話していたのですごく楽しみですね」

　待望の一戦に燃えないわけがないだろう。

【選手権PHOTO】２回戦　青森山田５-０草津東　昨年王者の青森山田が貫禄の５発で勝利！
 
　だからこそ、郷家が望むのはエースの価値を示す試合展開だ。

「打ち合いではなく、１点を争うゲームをしたいなと思います。意識をしている存在なので、安藤に決められずに、自分が決めて１－０で勝てるようにチーム全員でやっていきたい」

　息の詰まるような接戦で試合終盤に入ってもスコアは０－０。そして、自らの一振りが均衡を破る――。青森山田のエースは安藤との直接対決でチームを勝利に導くだけなく、”郷家友太”の評価を高める勝ち方でライバル撃破を目論む。
　
取材・文●松尾祐希（サッカーダイジェストWeb編集部）