【提言コラム】ハリル解任は最善策なのか?

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2017年12月25日

監督探しに力を注ぐくらいなら

E-1選手権は韓国に敗れて2位。川又もノーゴールと目に見える結果を残せなかった。写真:サッカーダイジェスト

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 例えばワールドカップの優勝歴があるスペインやドイツなら、監督探しもさほど苦労しないだろう。彼らにはそれだけの実績とネームバリューがあるからだ。翻って、そこまでの実績もネームバリューもない日本はどうか。韓国に完敗したタイミングで、日本代表監督という職務にどの程度の魅力があるのか。
 
 現実的な一手はアシスタントコーチの手倉森誠氏を昇格させるというものだ。しかし、それは最善策ではない。ワールドカップでの監督経験がない指導者で本大会を戦えばどうなるかは、14年のブラジル大会でも痛感したはずだ(当時はアルベルト・ザッケローニ監督の下で1分2敗のグループリーグ敗退)。
 
 もちろん、ハリルホジッチ監督のサッカーは面白くも、そこまで完成度が高くもないが、ここで解任するリスクのほうが明らかに高い。続投を支持する最大の理由は、選手と監督間で連係が取れ始めているということだ。事実、代表キャプテンの長谷部誠も欧州遠征を終えたあと、次のように話している。
 
「(現体制下において)世界の強豪と初めて戦った欧州遠征で、こういう戦い方をするんだという意思を監督も示せた。選手と監督のコミュニケーションも収穫でした。

ブラジル戦で上手く行かず、ベルギー戦に向けて皆が『こうしなければ』と監督と話したんです。僕はベルギー戦に出ませんでしたが、外から見ていてもコミュニケーションが取れていた。宿舎でも監督と『こうやったほうがいいんじゃないか』と議論していましたし、今はとてもポジティブな感覚があります」
 
 不動のキャプテンがこう主張しているのだから、ならば見届けようと思う。ワールドカップのような大舞台を戦ううえでなにより重視すべきは、監督と選手の信頼関係だ。

 その点、長谷部の言葉を鵜呑みにすれば、先の欧州遠征を経てチームの方向性は定まっている。それなのに、解任せよと? 正直、監督探しに力を注ぐくらいなら、3月のマッチメイク(なんとしても強豪国と!)に全力を尽くしたほうがいいだろう。

 
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