【提言コラム】ハリル解任は最善策なのか?

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2017年12月25日

批判するだけなら簡単だ

ハリルを本当に解任すべきなのか? ワールドカップ本大会まで半年を切ったことを考えると……。写真:Getty Images

画像を見る

 極寒の味の素スタジアム、試合終盤の80分を過ぎると席を立って帰り始める観客が目立つようになった。そして終了のホイッスルが鳴り響いた直後、「辞めろ~!」という罵声がどこからか聞こえてくる。
 
 ゲーム内容がお粗末なうえに、スコアも1-4。17年12月のEAFF E-1サッカー選手権(以下E-1選手権)で宿敵の韓国に惨敗した試合は、ひと言で表現するなら「最悪」だった。
 
 国内組で臨んだというエクスキューズはあるが、これほど完膚なきまでに叩きのめされたゲームも珍しい。実際、韓国に4失点以上を喫したのは1979年6月16日以来。さらにホームで4失点以上となると、54年3月7日まで遡らないといけない。
 
 北朝鮮を初戦(1-0)で、中国を2戦目(2-1)で下した日本も、結局は優勝が懸かった韓国戦で歴史的な大敗を喫して2位。結果も求められた大会で期待に応えられなかったのだから、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は批判されて然るべきだろう。
 
 しかしだからといって、このタイミングで解任すべきかと問われれば答は「ノー」だ。そもそも今回のE-1選手権はロシア・ワールドカップに向けた国内組のテストの場でもあった。
 
 結果はもちろん大事だが、それが決してすべてではない。韓国戦の出来は確かに酷かったし、ハリルホジッチ監督の消極的な采配(なぜ交代枠のひとり目がボランチの三竿健斗だったのか)にも疑問符がついた。それでも、優勝できなかったから解任という論調には同意できない。
 
 批判するだけなら簡単だ。むしろ重要なのは解決策の提示で、この場合は後任を誰にするかということになる。正直、ワールドカップの本大会まで半年を切ったタイミングで優秀な指導者を引っ張ってくることができるとは考えにくい。
【関連記事】
【韓国戦|戦評】まさかのサンドバック状態。ハリルは勝つ気があったのか
【中国戦|戦評】存在感を示した川又と小林。ロシアW杯のメンバー入りにより近づいたのは?
【北朝鮮戦|戦評】“代表デビューのバーゲンセール”のような試合で苦戦するのは必然だ
【日本代表】「これ言っていいか分からないですけど…」。今野泰幸が示した確かなプライド
【内田篤人】複数の根拠が示す“鹿島復帰への現実味”

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ