特に地方には、チームがなくてサッカーを辞めてしまう選手もいる。
岩政 技術的な巧さに加えて、粘り強いメンタリティも持っているんですね。
浜田 それに、分からないことは、必ずその場で聞きます。そのまま置いておきません。だから、伸びるのが早い。
岩政 久保くんはバルセロナから帰ってきて日本でプレーしていますが、変化は感じますか?
浜田 私個人としては、帰ってきて良かったと思っています。スペインの育成だけでなく、日本の育成事情や日本的な人間関係の構築の仕方も知っている。その経験は将来的に生きてくるはずです。引退後の話をするのは早すぎるし、最終的に彼が日本サッカー界で働くのか分かりません。ただ、日本サッカー界を大きく変えることのできるタイプだとは思っています。
岩政 これから時代が移り変わっていって、どんどん次の世代にバトンが渡っていきます。そのなかで浜田さんは、なにをされます?
浜田 日本の育成は、中学校の3年間がすっぽり抜けているんです。小学校は大会も多いし、スクールも多い。高校になると選手権があるから力が入る。でも、全中は注目度が高いとは言えないし、クラブチームも少ない。そこをどう変えていくかですね。特に地方は厳しくて、チームがなくてやめてしまう選手もいます。
岩政 確かにそうですね。私も中学に上がる時にチームがなくて、小学校のチームの監督さんが、たまたま私が中学に上がるタイミングでチームを作ってくれたんです。それでサッカーを続けられました。
浜田 高体連の監督やコーチに話を聞くと、「高1の1年間でもう一度、基礎から教えなきゃいけない」と嘆かれます。本来はチームのトレーニングに入る年代なんですが、日本ではドリブルやパスの基礎からやり直しになるケースが多い。これはもったいないですよ。
岩政 大きな問題ですね。
浜田 中学年代は欧州で最も大事にされている3年間なんですが……。日本で発展しにくいのは、事業として成立させ難いのが原因かなと思うんです。小学校は親御さんが熱心にお金をかけるし、高校になると私立高校などが監督・コーチを雇っていたりします。でも、中学校は注目されないからスポンサーもつかないので、事業として成り立ちにくいです。
岩政 そうなるとJクラブが力を入れるしかないですね。もしくは、採算度外視で会社が……。
浜田 そうなんです。どうなるか分からないですが、私たちも手を付け始めたところです。
<<第3回『バルサと仕事を始めたキッカケは会社の倒産!窮地から一転してパートナーになった経緯は?』は27日17時公開予定>>
【プロフィール】
浜田満(はまだ・みつる)/1975年、奈良県出身。株式会社Amazing Sports Lab Japan代表取締役。関西外国語大学卒業後、メーカー、商社、大使館勤務等、3回の転職を経て、欧州サッカークラブのマーチャンダイジングライセンスビジネスに携わる。2004年6月、FCバルセロナソシオの日本公式代理店として独立。現在は、FCバルセロナキャンプ、FCバルセロナスクール、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジのプロデュース、コンサルティングなどを行なっている。
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカW杯メンバーに選出された。2014年にはタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。
浜田 それに、分からないことは、必ずその場で聞きます。そのまま置いておきません。だから、伸びるのが早い。
岩政 久保くんはバルセロナから帰ってきて日本でプレーしていますが、変化は感じますか?
浜田 私個人としては、帰ってきて良かったと思っています。スペインの育成だけでなく、日本の育成事情や日本的な人間関係の構築の仕方も知っている。その経験は将来的に生きてくるはずです。引退後の話をするのは早すぎるし、最終的に彼が日本サッカー界で働くのか分かりません。ただ、日本サッカー界を大きく変えることのできるタイプだとは思っています。
岩政 これから時代が移り変わっていって、どんどん次の世代にバトンが渡っていきます。そのなかで浜田さんは、なにをされます?
浜田 日本の育成は、中学校の3年間がすっぽり抜けているんです。小学校は大会も多いし、スクールも多い。高校になると選手権があるから力が入る。でも、全中は注目度が高いとは言えないし、クラブチームも少ない。そこをどう変えていくかですね。特に地方は厳しくて、チームがなくてやめてしまう選手もいます。
岩政 確かにそうですね。私も中学に上がる時にチームがなくて、小学校のチームの監督さんが、たまたま私が中学に上がるタイミングでチームを作ってくれたんです。それでサッカーを続けられました。
浜田 高体連の監督やコーチに話を聞くと、「高1の1年間でもう一度、基礎から教えなきゃいけない」と嘆かれます。本来はチームのトレーニングに入る年代なんですが、日本ではドリブルやパスの基礎からやり直しになるケースが多い。これはもったいないですよ。
岩政 大きな問題ですね。
浜田 中学年代は欧州で最も大事にされている3年間なんですが……。日本で発展しにくいのは、事業として成立させ難いのが原因かなと思うんです。小学校は親御さんが熱心にお金をかけるし、高校になると私立高校などが監督・コーチを雇っていたりします。でも、中学校は注目されないからスポンサーもつかないので、事業として成り立ちにくいです。
岩政 そうなるとJクラブが力を入れるしかないですね。もしくは、採算度外視で会社が……。
浜田 そうなんです。どうなるか分からないですが、私たちも手を付け始めたところです。
<<第3回『バルサと仕事を始めたキッカケは会社の倒産!窮地から一転してパートナーになった経緯は?』は27日17時公開予定>>
【プロフィール】
浜田満(はまだ・みつる)/1975年、奈良県出身。株式会社Amazing Sports Lab Japan代表取締役。関西外国語大学卒業後、メーカー、商社、大使館勤務等、3回の転職を経て、欧州サッカークラブのマーチャンダイジングライセンスビジネスに携わる。2004年6月、FCバルセロナソシオの日本公式代理店として独立。現在は、FCバルセロナキャンプ、FCバルセロナスクール、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジのプロデュース、コンサルティングなどを行なっている。
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカW杯メンバーに選出された。2014年にはタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。