【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|清水ユース編

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2014年05月14日

勝負所でのパワー発揮を意識したトレーニングが結実。

DFからボランチ、2列目までマルチな働きを見せる水谷。北川とともにチームの大黒柱と言える存在だ。 (C) SOCCER DIGEST

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 今年のチームは、縦への連動性が高いサッカーを展開している。1トップに入っている大野は、豊富な運動量で何度もスペースを出入りし、2列目以降の選手が飛び出せる土壌を作ると、望月、福井悠陽、西澤の1.5列目が果敢に裏を狙って飛び出して行く。
 
 水谷と森主麗司のダブルボランチもその動きを見て、タイミングよく前線に飛び出し、作り出されたスペースを狙っていく。もちろんCBであっても同じで、宮本と村松航太のCBコンビは、上背はないが、緻密なラインコントロールと、積極的なビルドアップで、攻撃陣をサポートする。全体でボールポゼッションをしながらも、前のスペースを見逃さない眼を全員が共有できている。
 
 鹿島ユース戦の逆転劇は、まさにそれが如実に表われていた。マンツーマン気味で守る鹿島ユースに対し、「人は埋まっているけど、スペースは空いているので、そこをどう突いて行くかが、この試合のポイント。特にウチのCBが空くので、彼らがどこまで持ち出せて、スペースを有効活用できるか」という大榎監督の狙いをしっかりと実践したからこそのものであった。
 さらに「後半に入ると、相手選手の足がつり始めるけど、ウチはつっていない」と大榎監督が語るように、ゲーム体力の高さもまた、この躍進の要因となっている。
 
「ウチはそんなにフィジカルをガツガツやっているわけではなくて、有酸素運動を多く取り入れている。試合中、勝負所でハイパワーを発揮できるように、いかにローパワーの時間帯に力をためておけるか。試合中にジョギングをする時でさえ、ハイパワーの筋肉を使ってしまうと、消耗が早くなる。ローパワーの時間帯にいかにローパワーでいられるかが、最後までハイパワーで戦える体力をキープする秘訣になる」(大榎監督)
 
 試合の中で何度か訪れる勝負所で、全員がハイパワーを出し切って戦う。大榎監督のこのアプローチもまた、今の清水ユースの勝負強さ、土壇場での底力に直結している。
 
 北川不在の穴を全員が高い意識を持って埋め、かつ普段のトレーニングの成果を十分に発揮できているからこその5連勝。それは決して、まぐれでも、単なる勢いでもない。8月に復帰する絶対的なエースを、万全の状態で迎え入れて、さらに加速していくために。彼らは今後も不変の意識を持ち、全員で戦い抜くつもりだ。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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