W杯メンバーから読み解く近未来の日本代表は?

カテゴリ:日本代表

加部 究

2014年05月13日

フランス大会当時の日本代表にユース育ちはゼロ。

今回の高体連出身者は13名(大学経由者も含む)だが、酒井高らJユース出身者の割合も増えてきた。 (C) SOCCER DIGEST

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 ワールドカップの日本代表メンバー23人が歩んできた道のりを、高体連育ちとクラブ育ちに大別すると、過去の両者の割合は圧倒的な高体連優位で、2002年の日韓大会からほとんど変化を見せてこなかった。しかし、今回のブラジル大会に挑む日本代表には明らかな違いが見て取れる。週刊サッカーダイジェスト誌のコラムでもお馴染みのスポーツライター・加部究氏に、その変化の意味について考察してもらった――。
 
 
 ブラジル・ワールドカップの日本代表では、ついにJアカデミーのユース出身者が9人を占めた。FCみやぎバルセロナで育ち、高校卒業前にプロ契約をした香川真司も合わせれば、クラブ育ちが約半分のふた桁に到達したことになる。さらにJクラブのユース出身者と高体連育ちで、それぞれの平均年齢を比較すれば、前者の24.3歳に対し、後者は28.6歳(大学経由の長友佑都、伊野波雅彦も含めれば28.5歳)。今後日本代表が新しい世代へと引き継がれていけば、さらにユース優勢の傾向は加速していくものと推測される。
 
 日本が初めてワールドカップに出場したのが1998年のフランス大会だったが、やはり当時の代表と内訳を比較すれば隔世の感がある。Jリーグができて5年目だった16年前は、まだユース育ちがひとりも含まれていなかった。
 
 22人枠だった第一期岡田ジャパンは、一度母国ブラジルでサンパウロFCとプロ契約を結んでから来日した呂比須ワグナー以外は全員が高体連出身者で、大学の体育会経験者も過半数の11人を占めていた。つまりちょうど半数が20歳を過ぎてからプロの世界に入ったわけだが、逆に今回は長友、伊野波以外は全員が十代でプロ契約を結んでいる。確実に選手としての見極めは早まっており、Jが創設されてから20年以上を経て、ようやく育成のノウハウが浸透し始めた成果と見ることも出来る。
 
 確かにプロ化以降の日本サッカーの急速な成長スピードに比べれば、育成の成果が見えるまでには随分と時間を要した。一貫して年代別の日本代表では、アカデミー優勢が顕著だった。Jクラブが地域の優秀な小中学生を優先的に迎え入れる状況を考えれば、当然の傾向と言えた。
 
 ところがフル代表へと成熟していく過程で、高体連出身者との比率は逆転していった。実際ブラジルから留学した三都主アレサンドロ、田中マルクス闘莉王の2人を除いても、高体連出身者の数(カッコ内は大学体育会経験者を含めた数)は、98フランス=10人(21人)、02日韓=14人(17人)、06ドイツ=15人(17人)、10南ア=15人(18人)と推移して来た。
 
 一方ユース出身者が初めてワールドカップに出場したのは2002年日韓大会で、当時は新しい世代を積極的に登用しようとしたフィリップ・トルシエ監督の影響もあり、曽ケ端準、宮本恒靖、稲本潤一、明神智和、市川大祐と5人が名を連ねていたが、その後ドイツ、南アの2大会は、それぞれ5人、4人と伸び悩んだ。
 
 
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