【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|鹿島ユース編

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2014年05月13日

内容は評価に値するも勝ち切れない試合が続く

1トップとして攻撃をリードするFW鈴木。自ら狙うだけでなく、巧みなポストプレーで後方からの攻め上がりを促す。 (C) SOCCER DIGEST

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 開幕戦は柏U-18を相手に0-0、2節は流経大柏に2-2のドロー。開幕前から優勝候補の一角に挙げられた両者に、粘り強いサッカーを展開し、勝点2を掴んだ。3節では三菱養和SCユースに鈴木と平戸のゴールで2-0の勝利。しかしその後、堅守に大きく貢献していた正GKの山田晃平が離脱し、4節・市立船橋戦と5節・清水ユース戦では、1年生GKの木戸裕貴がゴールを守った。木戸はセービングが巧く、1年生とは思えない落ち着いたプレーを見せるが、結果は2連敗。ただ、山田の穴は大きいが、その2戦の内容は十分に評価できるものであった。熊谷監督も清水ユース戦後にはこう語っている。
 
「選手たちはすごくアグレッシブに戦ってくれた。何度か良い形を作ったし、前掛かりに行って、意欲を見せてくれた」。
 この試合、鹿島ユースは二度のリードを奪った。特に前半は4連勝で首位をひた走る清水ユースを相手に、個々がハードワークをして、相手のパスワークを完全に封じ込めると、4-1-4-1のアンカーだった平戸が、中盤の底から色摩とのワンツーで縦に抜け出して、先制弾を挙げた。
 
 守備で相手のストロングポイントを封じ、アグレッシブな姿勢で先制点を奪うという、理想的な展開だった。前半ロスタイムにカウンター一発で追いつかれたが、52分には田中の左からのクロスを受けた鈴木が強烈なシュート。GKがはじいたこぼれを色摩が詰めて、勝ち越しに成功をした。
 
 これも田中がボールを持った瞬間に、アタッカー陣全員に攻撃のスイッチが入り、ゴール前に圧力をかけたからこそ生まれたゴールであった。88分と90+4分に清水ユースに立て続けに決められ、痛恨の逆転負けを喫するが、決して悲観することはない内容のある敗戦だった。
 
「(2節の)流経大柏も先に点を取って、追いつかれる展開だった。今日の試合を観ても、盛り返す力はある。しかし、勝ち切れない。クロージングの問題がある」(熊谷監督)。
 
 これからリーグは中断期間に入る。この時間を生かし、熊谷監督はチームに根付き始めている戦う姿勢や力強さにプラスして、90分間のゲームマネジメントの術を植え付けるつもりだ。これは、熊谷監督が現役時代のトップチームが、最も得意としていたものだ。
 
「90分という時間の中で、どこに力を掛けるか。勝負所がどこにあって、そこでいかに全員が力を発揮できるか。ゲーム運びをもっとしっかりとやっていきたい」(熊谷監督)。
 
 着実に力はついてきている。あとはさらに選手個々が経験を積み、ゲーム運びを向上させていければ、浮上していく可能性は十分にある。熊谷監督の『常勝・鹿島スピリット』は着実に浸透しつつある。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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