なぜマンCはプレミアリーグを独走しているのか? 躍進の鍵は“個”の成長にあり

カテゴリ:メガクラブ

内藤秀明

2017年12月19日

覚醒したデ・ブルイネ。

攻撃の中心となっているデ・ブルイネ。その覚醒がチーム力も押し上げている。 (C) Getty Images

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 得点パターンが多彩化されたことからも分かる通り、組織の完成度が高まったことが、強さの最大の秘訣ではある。
 
 しかし、パスを繋ぐ技術やゴール前での落ち着き、そして、マーカーを剥がす動き、オフ・ザ・ボールの動きや意識などは、すべて個の能力の底上げによって実践されているものだ。
 
 そうしたなかで、最も成長している選手を挙げるとするならば、間違いなくデ・ブルイネだろう。
 
 卓越したテクニックを有していたデ・ブルイネは、元々トップスピードの状態でも正確なラストパスを送るセンスなど、速攻の場面でのプレー精度に定評はあった。だが、グアルディオラの薫陶受け、相手がブロックを作った状態でも、抜群のファーストタッチや洗練されたパスで、引いた相手を崩す契機を作り出せるようになった。
 
 さらに得点力にも磨きがかかり、今シーズンはプレミアリーグにおいて既に6ゴールを記録。実に3試合に1点のペースで得点を決めているが、これは昨年の倍のペース。そして、興味深いのは6点中4点を効き足ではない左足で決めている点だ。
 
 DF目線でいうと、両足で強烈なキックを蹴れる選手と自ゴール付近で対面する場合、縦を切っても横を切っても逆を突かれる可能性があるため、トップクラスのDFでも止めることが難しい。そういった点でデ・ブルイネは、相手にとって脅威となっている。
 
 そんなベルギー代表MFの成長も顕著なマンチェスター・Cは、難しい試合を制する勝負強さを身に付けつつある。印象的だったのは、12月11日に敵地オールド・トラフォードで行なわれたマンチェスター・ダービーだ。
 
 終始、ポゼッションして攻め続ける試合展開ではあったが、マンチェスター・Cは、ジョゼ・モウリーニョが仕込んだ粘り強い守備組織と、ワールドクラスのセービングを連発する相手守護神ダビド・デ・ヘアからゴールを決めきれずにいた。
 
 それでも最終的にはセットプレーから43分にシルバ、54分にニコラス・オタメンディが決めて2-1で勝利。2位のユナイテッドとの勝点差を8から11に広げて、首位の座を盤石なものとした。
 
 この試合後にモウリーニョが、「彼らのプレーを見たい人は、恥ずかしい2ゴールではなく素晴らしいゴールを見たいはず」と嫌味をこぼしたことからも、マンチェスター・Cの強さが窺える。
 
 昨シーズンまでは、ただ上手いチームという印象だったが、今シーズンは勝利のメンタリティーが染みついた強者へと変貌を遂げている。
 
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