【黄金世代】第5回・本山雅志「あの日サンドニで、ジダンに見とれてた」(♯5)

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年12月14日

あれやれこれやれって、たぶん僕には言えない。

来季の北九州で、Jリーグの舞台でふたたびその雄姿を拝めるか。いまやJ3の“華”だ。写真:佐藤香織

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 現在38歳。スパイクを脱ぐ日はそう遠い未来ではない。
 
 モッサンにとっての“その時”とは?
 
「走れなくなったら、ですかね。いまの僕は膝と上手く付き合ってかなきゃいけないんで。もっともっとわがままにサッカーをやりたいけど、どうかな、究極言えば、止める、蹴るができなくなったらかも。そこだけはずっと大事にしてきましたから」
 

 セカンドキャリアへのイメージはあるのだろうか。
 
「実はこう見えて、指導者のB級ライセンスを持ってるんですよ。何年か前に、オフでも身体が動かせるからいいだろうと思って、コウジ(中田浩二)とCとBを取りにいったんです。ただ、じゃあ指導者になるかと訊かれたら、どうなんですかね。正直引退後のことはノープランで、あんまり考えてないんです。子どもたちと一緒になってワイワイやってるのが好きかな。サッカーは楽しいもの。あれやれこれやれって、たぶん僕には言えない。だってプレーの選択って、無限にあるじゃないですか。いまのプレーはこうしてほしかったなとか思うことはあるけど、それだって決して間違いじゃない。逆の選択が素晴らしいプレーにつながるかもしれない。だからサッカーって面白いんですよ。ね? 監督とか無理でしょ?」
 
 取材を終えて雑談していると、どういうわけか“サンドニ・ショック”の話題に立ち返った。本山がもっと話したげだったのもあるし、私自身にとってもいまだブーブー言いたい試合だからだ。2001年3月、当時の世界王者フランスの前にトルシエジャパンがひれ伏した、0-5の大惨敗だ。
 
 本山はベンチでじっと戦況を見守っていた。いや、苦虫を噛みながらも、見とれていたようだ。
 
「悔しいんですよ。ボロボロに負けてて悔しいんだけど、あのジダンを目の前で見たら呆気に取られるしかないでしょ!」

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