【黄金世代】第5回・本山雅志「あの日サンドニで、ジダンに見とれてた」(♯5)

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年12月14日

パスが多くなってますね、間違いなく。

自身のサッカーの原点である「本城競技場」で笑みを浮かべる本山。最終回の今回、セカンドキャリアに向けた青写真も明かしてくれた。写真:筒井剛史

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 2017年シーズン、本山雅志はJ3リーグで戦った。
 
 昨年春、ギラヴァンツ北九州に入団。本山の生まれ故郷で、2001年に産声を上げたクラブだ。彼が選んだ背番号は43だった。
 
「北九州でプレーするなら、43がいいなって思ってました。ヒガシ(東福岡)って、1年生で入部すると練習試合用の黒いユニホームを買うんです。その番号が43だった。原点回帰ってやつですね。ミツオ(小笠原満男)は自分が40番じゃないですか。真似したろ、40でいいじゃんみたいなこと言ってましたね(笑)」
【本山雅志PHOTO】稀代のドリブラーのキャリアを厳選フォトで 1995-2017
 
 しかしながら昨季、チームは攻守が噛み合わないまま無念のJ3降格。負の連鎖を食い止められなかった責任を痛感している。
 
「みんな頑張ってたし、シーズン中に戦術が変更しながらも順応してやれてたと思うんです。ただ、ゲームの流れとか終わらせ方とか、すごく大事なんだなとあらためて実感した。終了間際に勝ち越されたり、同点にされたりってのが多かったんです。たら・ればなんですけど、あそこを強く意識してやれてれば、降格はなかったと思う。どうやって流れを変えるべきか、みんなで取り組まなければいけない、行動に移さないといけない……ずっと考え続けた一年でしたね」
 
 練習を見た印象では、本山に長期離脱によるプレーへの影響は感じられなかった。お得意の鋭く深い切り返しは健在で、パスとドリブルを巧みに織り交ぜるスタイルにも変わりはない。もともとスピードで勝負するタイプのアタッカーではないから、加齢によるアジリティーの低下とも上手く付き合っているように思えた。
 
 だが当の本人は、スタイルに変化が生まれていると明かす。
 
「パスが多くなってますね、間違いなく。それはギラヴァンツで自分がどうプレーすべきかを考えた上のことでもあるし、ドリブラーだけではゲームは上手く回らないと感じているからでもある。若い選手の個性をもっと引き出したい、活かしたいって考え方があって、そのなかで勝ちを拾っていきたいなって。そういう意味では、チーム全体を見るようになったのかもしれませんね」
 
 ただこだわりは、不変だ。
 
「そこはいまさら変わりようがない。振り返らないで、つねに前を向く。初志貫徹。基本が大事。そこに尽きます」
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