ゲームを支配できた市船、力を出し切れなかった流経
先制点を手にしたのは、市立船橋だった。14分、高い位置で左から右へ振ると、DF打越大樹のクロスを永藤が右足ボレー。これは相手GKに止められたが、素早くこぼれ球に詰めて相手DFとの接触プレーでPKを獲得。主将の藤井拓が決めて先制した。
流経大柏は、MF久保和已が出場停止。アタッカーの高沢優也、伴恭輔をダブルボランチで起用したが機能せず、20分過ぎにトップ下の相澤をボランチ、高沢を前線と本来の配置に戻した。ここから前半終了までは互いに好機を迎えたが、流経大柏は追いつけなかったことが後に響いた。
27分に流経大柏の渋谷がドリブルで最終ラインを突破したものの、市立船橋のGK志村滉が抜群のタイミングで前に出てセーブ。38分にはサイドチェンジで揺さぶり、右DF本村武揚のクロスを高沢が頭で合わせたが惜しくもゴールの枠を外れた。
後半の立ち上がりにも、流経大柏は途中出場のMF松本雅也が相手最終ラインからボールを奪う決定機があったが、パスに走り込んだ高沢はシュートを打ち切れなかった。渋谷は「(4試合9失点で)守備が課題と言われるけど、攻撃でチャンスを逃しているから守備陣が焦れてしまう」と語ったが、やはりチャンスの後にはピンチがやって来る。
直後の51分、市立船橋のカウンターが炸裂。右ウイングバックの桜井龍のクロスを磯野がニアサイドで合わせて追加点を奪った。磯野は「周りが動いて助けてくれていた。ゴールは、練習では成功しなくて怒られていた形だけど、試合で決まって良かった」とイメージ通りに奪った得点を振り返った。2点差になると、強引な攻撃しか展開できない流経大柏が、市立船橋のカウンターに苦しむ展開に終始した。
勝った市立船橋は、収穫あり。走力と身体の強さというフィジカル能力を生かした攻撃をベースにしながら、少しずつパスを組み立てるプレーも増やしている。「素早く相手の裏へ蹴って、相手が引いてくれたら短いパスをつなげばいい」と話した主将の藤井を中心に、戦い方のコントロールもできていた。
一方、敗れた流経大柏の本田裕一郎監督は「力を出し切るならいいけど、7割も出さずに負けてしまっている」と首を傾げた。攻撃は揺さぶりが少なく、守備面でも早い時間の警告が多かったためか終盤に迫力がなかった。
主将のDF小川諒也は「個人的には、昨シーズン(市立船橋戦に)3試合とも出場して負けているので、プレーで味方に想いを伝えたかったが、伝え切れなかったのかなと思う」と負けられない一戦でチームのギアが上がらなかった戦いを悔やんだ。
今シーズンも初戦は市立船橋が制した。昨シーズン同様に市立船橋が自信と勢いを得て加速するのか、あるいは流経大柏が持ち直すのか。次回以降の対戦も注目だ。
取材・文:平野貴也(フリーライター)
【U-18プレミアPhoto】5節[EAST]流経大柏 対 市立船橋
【5節の結果】
[EAST]
札幌U-18 1-5 青森山田
鹿島ユース 2-3 清水ユース
柏U-18 5-1 三菱養和SCユース
JFAアカデミー福島 1-1 東京Vユース
[WEST]
名古屋U18 3-0 東山
富山一 1-2 広島ユース
神戸U-18 0-3 東福岡
京都U-18 1-1 G大阪ユース
C大阪U-18 2-1 京都橘
流経大柏は、MF久保和已が出場停止。アタッカーの高沢優也、伴恭輔をダブルボランチで起用したが機能せず、20分過ぎにトップ下の相澤をボランチ、高沢を前線と本来の配置に戻した。ここから前半終了までは互いに好機を迎えたが、流経大柏は追いつけなかったことが後に響いた。
27分に流経大柏の渋谷がドリブルで最終ラインを突破したものの、市立船橋のGK志村滉が抜群のタイミングで前に出てセーブ。38分にはサイドチェンジで揺さぶり、右DF本村武揚のクロスを高沢が頭で合わせたが惜しくもゴールの枠を外れた。
後半の立ち上がりにも、流経大柏は途中出場のMF松本雅也が相手最終ラインからボールを奪う決定機があったが、パスに走り込んだ高沢はシュートを打ち切れなかった。渋谷は「(4試合9失点で)守備が課題と言われるけど、攻撃でチャンスを逃しているから守備陣が焦れてしまう」と語ったが、やはりチャンスの後にはピンチがやって来る。
直後の51分、市立船橋のカウンターが炸裂。右ウイングバックの桜井龍のクロスを磯野がニアサイドで合わせて追加点を奪った。磯野は「周りが動いて助けてくれていた。ゴールは、練習では成功しなくて怒られていた形だけど、試合で決まって良かった」とイメージ通りに奪った得点を振り返った。2点差になると、強引な攻撃しか展開できない流経大柏が、市立船橋のカウンターに苦しむ展開に終始した。
勝った市立船橋は、収穫あり。走力と身体の強さというフィジカル能力を生かした攻撃をベースにしながら、少しずつパスを組み立てるプレーも増やしている。「素早く相手の裏へ蹴って、相手が引いてくれたら短いパスをつなげばいい」と話した主将の藤井を中心に、戦い方のコントロールもできていた。
一方、敗れた流経大柏の本田裕一郎監督は「力を出し切るならいいけど、7割も出さずに負けてしまっている」と首を傾げた。攻撃は揺さぶりが少なく、守備面でも早い時間の警告が多かったためか終盤に迫力がなかった。
主将のDF小川諒也は「個人的には、昨シーズン(市立船橋戦に)3試合とも出場して負けているので、プレーで味方に想いを伝えたかったが、伝え切れなかったのかなと思う」と負けられない一戦でチームのギアが上がらなかった戦いを悔やんだ。
今シーズンも初戦は市立船橋が制した。昨シーズン同様に市立船橋が自信と勢いを得て加速するのか、あるいは流経大柏が持ち直すのか。次回以降の対戦も注目だ。
取材・文:平野貴也(フリーライター)
【U-18プレミアPhoto】5節[EAST]流経大柏 対 市立船橋
【5節の結果】
[EAST]
札幌U-18 1-5 青森山田
鹿島ユース 2-3 清水ユース
柏U-18 5-1 三菱養和SCユース
JFAアカデミー福島 1-1 東京Vユース
[WEST]
名古屋U18 3-0 東山
富山一 1-2 広島ユース
神戸U-18 0-3 東福岡
京都U-18 1-1 G大阪ユース
C大阪U-18 2-1 京都橘