【現地発】乾貴士がエイバルで新ポジションに挑戦中! 新ライバルの加入も?

カテゴリ:ワールド

工藤拓

2017年11月18日

年末までの数試合で目に見える結果を。

9節のR・マドリー戦では2トップの一角に入ってフル出場。乾自身はこの新たな役割を歓迎していたが。(C)Getty Images

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 そのR・ソシエダ戦、乾は3-4-1-2のトップ下、3-5-2の左インサイドハーフ、そして従来の4−4−2の左ウイングと、3つのポジションでプレーした。だが、中盤の要であるダニ・ガルシアとゴンサロ・エスカランテを同時に欠いたこともあり、ペナルティーエリアの手前からドリブルで仕掛ける得意の形は、ほとんど作れなかった。

 チームも良いところなく1-3で完敗。4節の勝利を最後に、7試合連続未勝利のまま降格圏と勝点2差の17位まで沈んでしまったため、メンディリバル監督がふたたびチームにテコ入れを施す可能性が出てきた。右サイドのスペシャリストであるペドロ・レオンが、昨シーズン終了後に受けた手術のリハビリからいよいよ復帰することもあり、DFラインを4枚に戻すと見られているのだ。

 中央でのプレーに光明を見出していた乾としては、4バックに戻した後も2トップの一角やトップ下でのプレーに挑戦したいところだろう。だが彼は、新しいポジションを不動のものにするほど、説得力のあるプレーを見せられていたわけではない。現時点では元の左MFに収まるのが自然な流れだ。

 さらに数日前から、好調バレンシアで蚊帳の外に置かれているチリ代表MFのファビアン・オレジャーナを、エイバルが狙っているとの情報も入ってきている。オレジャーナはトップ下や2列目の左サイドを得意とする右利きのアタッカーで、プレースタイルは乾と重なるところが多い。

 エイバルは、「全治6か月以上の長期離脱者が出た場合、無所属もしくは国内のクラブに所属する選手であれば、移籍期間外でも補強が許される」という特例を用いて、オレジャーナを獲得しようとしていた。

 結局、申請したフラン・リコの怪我が条件を満たさなかった(全治が6か月未満と診断された)ため実現しなかったものの、クラブが1月にふたたびオレジャーナか、あるいは同タイプの選手を補強する可能性は高い。

 乾は11節まで消化したリーガで10試合に先発し、うち7試合でフル出場している。過去2シーズンと比べ、出場時間は確実に増えているが、直接ゴールに絡んだのは決勝点をアシストした4節のレガネス戦と、先述のレバンテ戦くらいだ。

 システムの再変更と新たなライバルの加入――。これらが現実のものとなれば、乾の立場も一転しかねない。いまだ無得点の乾としては、ここから年末までの数試合で目に見える結果を残したいところだ。

文:工藤 拓
 
【著者プロフィール】
1980年、東京都生まれ。桐光学園高、早稲田大学文学部卒。三浦知良に憧れて幼稚園からボールを蹴りはじめ、TVで欧州サッカー観戦三昧の日々を送った大学時代からフットボールライターを志す。その後EURO2004、W杯ドイツ大会の現地観戦を経て、2006年よりバルセロナへ移住。現在は様々な媒体に執筆している。
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