【現地発】イタリアが認めた長友佑都の「名脇役ぶり」は日本代表にもポジティブな風を

カテゴリ:海外日本人

片野道郎

2017年11月09日

ウイングのペリシッチをフォローする形が定着。

長友はいまやインテルの最古参でチームリーダーのひとり。ピッチ内外で仲間たちと良好な関係を築く。(C)Getty Images

画像を見る

 しかしそれでも長友は、移籍マーケットが終わってみれば相変わらずインテルの登録選手リストに名を連ねてきた。15-16、16-17という直近の2シーズンは、いずれも控えのSBとしてベンチを暖める立場で開幕を迎えながら、出場機会を得ればきっちりと期待に応える仕事をして見せ、後半戦に入るといつの間にかスタメンに名を連ね、レギュラーとしてシーズンを終えてきた。
 
 そして今シーズン、クラブは例によってカンセロ、ダウベルトと左右にひとりずつSBの新戦力を補強する。しかし新たにチームの指揮を執るスパレッティは、これまでの監督たちとは異なり、新戦力を最初から無条件でピッチに送り出すことをしなかった。
 
「ダウベルトは確かに才能ある選手だ。でも注意してほしい、長友だっていい選手だということを忘れてもらっちゃ困る。今日もサポーターからつつかれた場面はあったけれど、距離感、秩序、安定感と継続性などに関しては文句の付けようがないし、詰めるのかディレイするのか、いつ攻め上がって裏に走り込むかといった判断はパーフェクトだ」
 
 これはプレシーズン中、インテルがダウベルト獲得を決めたその日に行われた親善試合(ビジャレアル戦)後のコメント。就任間もないプレシーズンの段階から、とりわけ戦術的な判断力を高く評価していたことが分かる。開幕からレギュラーとして起用され信頼されている現在の立場も、その延長線上にあるものだ。
 
 インテルの左サイドは、ウイングのペリシッチが攻撃の鍵を握っていることもあり、その背後を固めるSBは、攻撃の局面では自ら状況を打開するより、ペリシッチをフォローすることが重要な役割になっている。
 
 長友はペリシッチが内に絞る動きを見せた時には、敵SBを引きつけるためにオーバーラップして裏のスペースに飛び出すこともあるが、そうした形で敵陣深くまで進出する頻度は、かつてと比べればずっと少ない。その分、ボールのラインよりも後ろにとどまってポゼッションに参加し、あるいは危険なスペースを埋めてバランスを取る戦術的な仕事をミスなくきっちりとこなすことで、脇役としてチームに貢献している。
 
 開幕から8連勝中だった首位ナポリとの直接対決で0-0のドローに持ち込み、連勝をストップした10月21日のセリエA9節でも、守備の局面における貢献度は大きかった。左サイドでのポゼッションで敵守備ブロックを左に寄せ、逆サイドとなる右の大外からフリーで走り込むホセ・マリア・カジェホンにロレンツォ・インシーニェからのクロスを合わせるというのが、ナポリの必殺パターン。しかし長友は、そのカジェホンの動きを常に監視して、裏への走り込みは常にきっちりとマークしてフリーにさせず、この十八番を完全に封じ込めた。
 
【関連記事】
長友佑都の“アモーレすねあて”が話題! キューピット三瓶も「好調の理由かな(笑)」
レギュラーを5人変更か…日本戦に臨むブラジル代表のスタメンが明らかに!
「インテリスタのヌードモデル」がセクシーすぎる! 得点時の動画では…
【日本代表】4色のビブスがブラジル戦の11人を示唆!? 原口、槙野がスタメンか
W杯本番へ各国代表がユニホームを刷新! 伝説のデザインが続々と復活!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ