【現地発】好調バルサが抱える潜在的なリスクと不安

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2017年11月07日

コウチーニョ待望論の再燃は偶然ではない。

このオリンピアコス戦でS・ロベルト(右)が負傷。バルサはこの重要な戦力を、1か月以上欠くことに。 (C)Getty Images

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 前述のオリンピアコス戦では、アンドレ・ゴメスも負傷。故障箇所はS・ロベルトと同じ右足大腿二頭筋で、こちらは全治3~4週間と診断されている。9月中旬に負傷したウスマンヌ・デンベレも年内復帰は難しく、これから約1か月以上、バルベルデ監督は極めて厳しいやり繰りを強いられるだろう。

 序盤戦のバルサは、結果だけでなく試合内容においても、3-0の完勝を収めたCL1節のユベントス戦を筆頭に、かなり充実していた。

 戦術的には、選手個々のハードワークが向上したことで、陣形をコンパクトに維持できるようになったのが大きく、それはここまでの失点の少なさ(リーガ=4失点、CL=1失点)にも表われている。

 気がかりなのは、アンバランスな陣容という潜在的な不安に加え、故障者が続出するアクシデントも重なり、ここにきてパフォーマンスが下降線を辿っていることだ。

 とりわけ問題が表面化しているのが、チーム最大の売りである爆発力と躍動感が失われて久しい攻撃だ。

 80年代後半から90年代前半にかけてヨハン・クライフ率いるドリームチームが一世を風靡して以来、バルサはつねに攻撃的なフットボールを志向してきた。もちろん、クライフの教え子のひとりであるバルベルデ率いる現在のチームにも、そのDNAは受け継がれている。

 ただここにきて、ポゼッション、パスワーク、ハイプレスというアタッキング・フットボールを志向するうえで必要不可欠な3大要素の精度が低下。それに伴い、アスレティック・ビルバオ戦(リーガ10節/2-0)やオリンピアコス戦(CL4節/0-0)で明らかになったように、中盤での組み立てやサイドアタックの重要性が減少しているのだ。

 とりわけオリンピアコス戦は、プレーリズムとパススピードが遅く、思い切りの良さや意外性も欠落し、単調かつ退屈な攻撃に終始した。冬の移籍市場のオープンが近づくなかで、コウチーニョ待望論が再燃しているのは、決して偶然ではない。

 そうした状況で、崩しと組み立ての両局面でチームを支える存在となっていたS・ロベルトが負傷。使い勝手の良さ、チーム随一のハードワークとバルサ・スタイルの体現者という点において、現在のチームに彼の代役を務められる選手は見当たらない。
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