バルサやエスパニョールがカタルーニャ独立後もリーガ・エスパニョーラに残るためには、やはり例外的なケースとしてRFEFとリーガの承認をえなければならない。
だがそのためにはまず現行のスポーツ法を改正する必要があるため、スペイン政府の同意も必要となる。しかし、はたしてこれらの組織は、一方的に国を出て行った連中のために、どこまで便宜を図ってくれるだろうか。
一部では「バルサはプレミアリーグやリーグ・アンへの参入も視野に入れている」、「これを機に欧州スーパーリーグを作る」という報道もあるが、それも現実的ではない。最も自然なのはFCFがUEFAに加盟し、カタルーニャにプロリーグを新設することだが、その道も容易ではないだろう。
FCFがUEFAに認可されるためには、第一にカタルーニャが独立国としてEUや国連の承認を得る必要がある。しかし、法を無視して強引に独立を押し進めている現状、共和国として国際的に認められるまでには長い月日を要するに違いない。
いずれにせよ、カタルーニャの独立が、スペイン・サッカー界にとって茨の道となることだけは確かだ。
文:工藤 拓
【著者プロフィール】
1980年、東京都生まれ。桐光学園高、早稲田大学文学部卒。三浦知良に憧れて幼稚園からボールを蹴りはじめ、TVで欧州サッカー観戦三昧の日々を送った大学時代からフットボールライターを志す。その後EURO2004、W杯ドイツ大会の現地観戦を経て、2006年よりバルセロナへ移住。現在は様々な媒体に執筆している。
