【現地発】バルサのプレミア参入は非現実的! ただリーガ残留も一筋縄では…

カテゴリ:メガクラブ

工藤拓

2017年10月06日

アンゴラやモナコのケースとは大きく異なる。

ネイマール退団騒動に続き、今度はカタルーニャ独立の本格化……。バルサのバルトメウ会長は再び難しい案件の対処を強いられている。(C)Getty Images

画像を見る

 現在はプリメラ・カタラナ(スペイン5部リーグ)に所属している、隣国アンドラのFCアンドラのような例外もある。ただ、1940年代にRFEFがFCアンドラの加盟を特別に認めたのは、当時はまだアンドラに独自のリーグやフットボール連盟が存在しなかったからだ。ASモナコがフランス・サッカー連盟(FFF)に加盟した経緯も似たようなものだった。
 
 バルサやエスパニョールがカタルーニャ独立後もリーガ・エスパニョーラに残るためには、やはり例外的なケースとしてRFEFとリーガの承認をえなければならない。
 
 だがそのためにはまず現行のスポーツ法を改正する必要があるため、スペイン政府の同意も必要となる。しかし、はたしてこれらの組織は、一方的に国を出て行った連中のために、どこまで便宜を図ってくれるだろうか。
 
 一部では「バルサはプレミアリーグやリーグ・アンへの参入も視野に入れている」、「これを機に欧州スーパーリーグを作る」という報道もあるが、それも現実的ではない。最も自然なのはFCFがUEFAに加盟し、カタルーニャにプロリーグを新設することだが、その道も容易ではないだろう。
 
 FCFがUEFAに認可されるためには、第一にカタルーニャが独立国としてEUや国連の承認を得る必要がある。しかし、法を無視して強引に独立を押し進めている現状、共和国として国際的に認められるまでには長い月日を要するに違いない。
 
 いずれにせよ、カタルーニャの独立が、スペイン・サッカー界にとって茨の道となることだけは確かだ。
 
文:工藤 拓
 
【著者プロフィール】
1980年、東京都生まれ。桐光学園高、早稲田大学文学部卒。三浦知良に憧れて幼稚園からボールを蹴りはじめ、TVで欧州サッカー観戦三昧の日々を送った大学時代からフットボールライターを志す。その後EURO2004、W杯ドイツ大会の現地観戦を経て、2006年よりバルセロナへ移住。現在は様々な媒体に執筆している。


 
【関連記事】
【現地発】「カタルーニャ主義」を背負うピケ、その影響力は今や政治家や組織よりも上
【現地発】「ネイマール孤立」の舞台裏…なぜパリSGで味方がD・アウベスだけに?
【現地発】「メッシ大爆発」の理由。ネイマールの退団、偽のCFへの回帰、新監督との信頼関係
【現地発】イニエスタはなぜバルサと契約延長しないのか? バルトメウ会長との関係が…
ポルノ女優が独6部クラブの胸スポ契約! 英誌は「子供たちが…」とモラルを疑問視

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ