【現地発】「カタルーニャ主義」を背負うピケ、その影響力は今や政治家や組織よりも上

カテゴリ:ワールド

エル・パイス紙

2017年10月05日

今や「政治活動家の代弁者」にような存在に。

スペイン代表の練習では一部ファンが心無い野次をピケに浴びせた。(C)REUTERS/AFLO

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 練習の2時間前にホテル入りしたピケは、その前に新たなツイートを投稿していた。その内容は、警官隊がゴム弾を発砲する映像と一緒に、「(警察は)プロらしく、適切に行動した」というソラヤ・サエンス・デ・サンタマリア副首相の行動を皮肉るものだった。
 
 ピケが頻繁にツイッターを更新するのは、今に始またことではない。しかし、以前は冗談が好きな“お騒がせ男”的な位置づけだったが、ここにきて政治活動家の代弁者のような存在へとその趣を急激に変えつつある。本人がそうした一連のツイッターでの活動を、カタルーニャ人としての義務と感じている節もあり、また代表でプレーすることと両立できるものだと考えているようだ。
 
 例えば9月28日、10月1日のカタルーニャ独立を問う住民投票を前に、投票を呼び掛けたツイートは賛否両論の大反響を呼んだ。ピケのツイッターのフォロワーは1600万人を超える。これはカタルーニャのいかなる政治家や機関、組織を上回る数であり、それだけ絶大な影響力を誇ることを意味する。
 
 そうしたフットボーラーとして特殊なステータスを得るに至ったピケは、スペイン代表でも異質な存在となっている。招集のたびの注目度からもそれは明らかだが、住民投票と代表戦が重なった今回は、その存在がとりわけ大きくクローズアップされている。
 
 しかしピケは、どんな時も自らの考えを主張することに躊躇がない。批判を承知の上でのラス・パルマス戦(10月1日)後の涙ながらの告白は、そんな彼ならではの行動であった。
 
「代表でプレーするのと、愛国精神の有無とは関係ない。代表でプレーしている人間が、愛国精神が強いとは限らないのだ。招集されたら、その呼びかけに応じてベストのプレーを見せる。俺が毎回やっているようにね。過去には二重国籍を取得した選手だっていた。少なくとも代表について俺はそういう考え方を持っている」
 
 その中では「誰もが僕を“問題”だと信じるならワールドカップの前に代表チームから退いてもいい(ピケはロシア大会後の代表引退を表明済)」と語っていたが、これからもどんな激しいバッシングでも、自ら退くことなく代表でプレーを続ける覚悟だろう。
 
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