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【小宮良之の日本サッカー兵法書】「急がば回れ」も一理あり! 一筋縄ではいかないクラブ経営

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年04月12日

巧妙なミスディレクションによって論調を変えていったバルサ。

胸スポンサーがないのが当たり前だった時代のバルサ。ゆえに、1990年に親善試合のために来日したチームのいでたちには、大いに違和感を覚えたものである。 (C) SOCCER DIGEST

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「ユニセフでファンの目を慣れさせた」
 
 その戦略によって、バルサは胸スポンサーの歴史を変えた。
 
 急いてスポンサー契約を結んでいたら、反発は強かったろう。その混乱は、チームに大きな打撃を与えたかもしれない。「あくまで、世界に冠たるバルサの慈善事業なんですよ」という巧妙なミスディレクションによって、論調を変えたのだ。
 
 これは企業のひとつの手法であり、卑怯でもなんでもない。ファンという顧客をモラル的にも納得させる。それでいて、プロクラブとして成果を出し、ピッチ上でスペクタクルも演出する。それらを同時に成し遂げたことは、称賛に値するだろう。
 
 クラブ経営は決して簡単ではないが、必ず活路はある。それはクラブの規模の大きさや小ささとは関係がない。大きなクラブには大きなクラブなりの、「図体がでかいだけに、小回りが利かない」というような問題もある。
 
 頭を捻って、解決する。
 
 その創意工夫が、クラブ戦略には欠かせないのだろう。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
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