【現地発】なぜメッシに厳罰が下ったのか? 協会は「陰謀論」もあるFIFAを提訴

カテゴリ:ワールド

チヅル・デ・ガルシア

2017年03月30日

クラウディオ・タピアAFA新会長の最初の仕事はFIFAの提訴。

ぐずついたAFA組織の立て直しの重役を任されたタピア新会長(中央)。その初仕事はFIFAの処分から大黒柱を救い出すことだ。 (C) Getty Images

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 チリ戦から4日も過ぎてからの急展開、しかも翌朝には処分が確定するというスピード審査。6ページに及ぶ免責申請書を提出した後、AFA関係者はFIFAからの連絡をただ待つしかなかったが、処分内容が発表される前に「メッシはボリビア戦に出場できない」との通告を受けるしかなかった。
 
「予選4試合の出場停止と1万スイスフラン(約112万円)の罰金」という最も恐れられていた刑が明らかになったのは、チームが試合会場のラパスに向けて飛び立つ2時間前(キックオフの5時間半前)。審査開始の報を受けてから、わずか17時間後だった。
 
 FIFAは近年、審判への侮辱行為を厳しく取り締まる姿勢を示している。昨年9月には南米地区予選でチリ代表のガリー・メデルが試合中に主審を罵り、その場で退場となっただけでなく、4試合の出場停止処分を受けた。
 
 また、11月にはノルウェー代表のオレ・セルネスが欧州予選で、ロッカールームに向う途中のトンネルで審判に酷い罵声を浴びせたことで、代表戦11か月間の出場停止という厳罰を下されている。
 
 よって、今回のメッシの場合も、暴言行為そのものを擁護する人はほとんどいない。
 
 しかし、審判団から何の報告もなかったにも関わらず、FIFAが読唇術をもって映像を徹底的に分析し、試合前夜に慌しく審査を行ない処分を急ぐという異例のやり方に、「何らかの陰謀ではないか」という疑心を抱いた人は少なくない。エドガルド・バウサ監督もボリビアに0-2と敗れた後、メッシへの処分について「こうなるように誰かが何かを仕組んだ」とこぼしている。
 
 AFAは3月29日にクラウディオ・タピア新会長が就任して組織の再建が始まったが、その新役員の最初の仕事は、FIFAの控訴だ。AFAが準備している控訴内容は、免責申請書に記されたメッシの供述、FIFAの職権利用に対する不服申し立てに基づいている。
 
 メッシによれば、副審とは試合中に友好的な会話を交わしていたことから、抗議のときも言葉の意味は理解していたはずだという。つまり、今回の行為は侮辱ではなく「単なる不満表現」であり、4試合出場停止には該当しないというのが、AFAの主張だ。
 
 また、FIFAが審査できるのはレフェリーが把握していなかった出来事に限られており、今回の場合は審判が当事者であることから今回の審査は不当という内容も記されている。
 
 これらの見解をもって、AFAは最低でも4試合から2試合への減刑を求める意向だ。
 
 大エースのメッシを失い、ロシアまでの道のりに暗雲が立ち込めるアルゼンチン。来たる第15節のウルグアイ戦(8月31日)までの5か月間に、主張が認められ、希望を取り戻すことはできるのだろうか。
 
文:チヅル・デ・ガルシア
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