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【小宮良之の日本サッカー兵法書】快勝も苦戦も紙一重の差…ブレない日本代表、タイ戦の結末は⁉

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年03月28日

ハリルホジッチ監督は彼の論理で、着実に成果を上げてきた。

UAE戦では長谷部の穴を今野が埋めたが、タイ戦ではその今野、さらに大迫らもチームを離脱した。この緊急事態で、指揮官は再び的確な人選、戦法を採ることができるか。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 サイドを崩し、ボールを供給し、連係した攻撃を展開するためには、齋藤や乾以上に適任な存在は日本にいないだろう。彼らをサイドの支配者とし、2トップを編成してプレーする場合、(ゴールの仕事は主に2トップに求められるため)本田、久保、浅野にサイドのポジションはない。
 
 個人的には、齋藤や乾を使えるオプションを試し、選択肢にするべきだと思うが、今はハリルホジッチ監督が“頭領”であって、それに付き従うしかないのだ。
 
 その点、ハリルホジッチ監督は彼の論理で、着実に成果を上げてきた。そしてUAE戦は、その一環に過ぎない。
 
 長谷部誠がいないという切羽詰まった状況で、今野泰幸を抜擢したが、単純に長谷部の後釜には据えなかった。異なるフォーメーションで、そのキャラクターを引き出した。
 
 もし長谷部と同じかたちだったら、今野の"精力的過ぎる"動きは、ボランチとしては命取りになっていたかもしれない。実際にUAE戦では、インサイドハーフとしても釣り出されたシーンで危機を迎えていた(前半に川島永嗣がストップした場面など)。
 
 勝負の運は際どく、指呼の間にあるということか。絶賛されたタイ戦(2-0の勝利)は、相手の拙攻に助けられた感が強い。日本は綻びも見せたし、攻撃が淀みなく機能していたわけでもなかった。
 
 3月28日、今野、大迫勇也、高萩洋次郎が怪我で離脱したなかで迎えるタイ戦。ハリルジャパンは、再びその真価を問われる。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
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