【小宮良之の日本サッカー兵法書】緊急事態に見舞われた今こそ、日本代表の“戦闘力”の程が見える

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年03月21日

ハリルホジッチ監督は選手を、戦闘における駒として見ている。

技術の高さと戦術理解度は当然。それを備えた選手のなかから、より闘争心と献身的姿勢を発揮する選手が、ハリル・ジャパンに名を連ねている。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 局面で勝てるか?
 
 それが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の戦術軸になっている。
 
 これは、「1対1」と置き換えても良いだろう。ハリル流に言えば、「デュエル」となるだろうか。球際を制することに、重きが置かれている。
 
 つまり、選手には「戦闘力」が求められる。
 
 戦闘力を解剖すると、コンタクトの強さ、俊敏性、持久力などの要素で構成されているが、とりわけ性格的なアグレッシブさが占める割合は大きい。
 
 アグレッシブというと、ボールを運び、ゴールを目指すという「攻撃的」と混同されるが、ここでは「好戦的」のほうが正しいだろう。戦いそのものに対する欲求、意欲、もしくは身を擲(なげう)てるような献身性と言えるだろうか。
 
 指揮官は戦闘力が高い選手を好み、用いている。ボールプレーのスキルやビジョンや閃きという不確定要素がある能力よりも、目を血走らせ、歯をむき出しにし、筋肉を隆起させる選手のほうが、計算が立つのだろう。将軍にとっての兵士と同じで、戦闘における駒として見ているのだ。
 
「デュエル」という言葉を指揮官が好んで使うのは、局面で負けなければ破綻しない、という考え方に基づいている。
 
 原口元気(ヘルタ・ベルリン)はスピードと闘争心で、「ハリルの申し子」と言える。本田圭佑(ミラン)、久保裕也(ヘント)、浅野拓磨(シュツットガルト)らも戦闘力が際立つ選手だろう。
 
 何より、中盤の面子はシンボル的かもしれない。
 
 ロシア・ワールドカップ予選のUAE(現地時間3月23日)、タイ戦(28日)に向け、今野泰幸(ガンバ大阪)が再招集されたが、これも戦闘力を買ってのことだろう。
 
 今野はピッチで、非常に血気盛んなキャラクターを見せる。1対1の強さだけでなく、エリアをカバーし、インターセプトも得意で、積極的にゴール前にも顔を出す。もっとも、自分のポジションを留守にしてしまい、前に出っ放しとなるケースも見られるが……。
 
 今野は、高いレベルでは評価が分かれる選手だろう。直近の出場試合である2年前のウズベキスタン戦では、長いボールを蹴り込まれる時間帯にバックラインをフォローする機転の良さを見せられず、ハリルホジッチ監督からも「落第点」をつけたほどだ。

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