ジレンマを抱えながらも挑戦を続ける宇佐美…2戦連続のフル出場なるか!?

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2017年02月25日

砕くべき高い壁――オフェンシブなところで何を出せるのか。

苦しい戦力事情のなかでも攻撃のオプションを増やしていくことができる否かが、今後のアウクスブルクの命運を握る。そのなかで、宇佐美も重要な役割を担うことになるはずだ。写真は3-2で勝った19節ブレーメン戦。 (C) Getty Images

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 ここにジレンマがある。
 
 このチームにおけるサイドの選手は、なかなか効果的に攻撃に絡みにくい試合運びのなかで何ができるのか……。
 
「サイドの選手はみんな、苦労している。スムーズにボールが回って右から左に良い展開があって、というようなシーンは、今日もほとんどなかった。そういう状況で、サイドで出る難しさはあるけど、でもチャレンジし続けないと……」
 
 第20節のマインツ戦後、宇佐美はこのように分析していた。
 
 頭では分かっていても、それをどのようにピッチレベルに落とし込めるのかが重要だろう。そこで、こんな質問をしてみた。
 
 自分がやるべきプレーというものは、整理されているのか?――
 
「整理はしてるつもりなんですけど、やっぱり試合出ても、後ろ向きでのプレーが多いので……。試合をやっていくなかで、労力だけそっちに持っていかれて、というシーンがやっぱり多い」
 
「この壁を、どう砕いていくかですよね。高い壁です。オフェンシブなところで何を出せるのか。まだまだやり続けたいと思います」
 
 そんな発言を受けてのレバークーゼン戦では、少なからず攻撃で持ち味を発揮することができた。
 
「攻撃的なところも、少しずつ出るようになってきています。少しずつ、試合の感覚っていうのは、上がっているかなとは思います」
 
「まだまだ、できますよ。そういう感覚はあります。僕個人とチームとのフィーリングがもう少し合ってくれば、もっとできると思います。いや、もっとやらなければ、と思います」
 
 アウクスブルクの順位は、2部リーグ3位との入れ替え戦出場となる16位まで勝点差4の13位。決して、安心できる位置にいるわけではない。今後のチームの調子次第では、また守備一辺倒の戦い方になる可能性もなくはないだろう。
 
 そうした時でも起用してもらえるだけの存在感を発揮できるかどうか。宇佐美の挑戦は続いていく。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/ドイツ・フライブルク在住の指導者。2009年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの研修を経て、フライブルガーFCでU-16やU-18の監督、FCアウゲンのU-19でヘッドコーチなどを歴任。2016-17シーズンからFCアウゲンのU-15で指揮を執る。1977年7月27日生まれ、秋田県出身。
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