【大宮】2年連続の躍進なるか?大前へのルート開拓がチーム進化の道筋に

カテゴリ:Jリーグ

平野貴也

2017年02月15日

チームが優先したのは立ち返る土台の再構築。固い守備とボール保持だった。

攻撃の形を確立するには、新加入の茨田(40番)や長谷川をいち早く融合させる必要がある。写真:平野貴也

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 もっとも、攻撃の構築に時間がかかることは、予想されていた。これまでの大宮は、圧倒的なキープ力を誇るFW家長が中盤に下りてボールを収めることで全体の押し上げと人数をかけた攻撃に移るパターンが多かった。個人の能力を生かした形だっただけに、単純な代役は見つからない。
 
 連係力でカバーしたいところだが、今季は、攻撃的MFに長谷川アーリアジャスール、ボランチに茨田陽生と新加入選手が主力となる流れになっており、まだ連係不足だ。サイドやボランチなど中盤で幅広く起用される可能性があり、既存戦力の中心であるMF横谷繁も、キャンプを終えた段階で「まだチームとして昨季のベースとなっていたポゼッションの練習しかしていないので、攻撃は個々の技術や判断の勝負になってしまっている」と苦心している様子だった。
 
 早期の仕上がりを期待すると、やや不安になる話ではある。ただ、同じタイミングで、渋谷監督は「組み合わせや力を見極めている段階で、アタッキングサードに入るところから先の話は、まだ図版での説明とシュート練習くらいしかしていないのだから、当然。それでも選手がそれぞれの場面でやろうとしてくれている」と意に介しておらず、チームの仕上げに自信を示していた。
 
 チームが優先したのは、基盤となる守備とボール保持を、新加入選手を多く起用した状態でも昨季同様に行えるようになることだ。立ち返る土台の再構築と言える。主軸を入れ替えたチームが、一気に崩壊することを避けるために必要なことだ。渋谷監督は、攻撃の形作りを急がなかったことについて次のように述べている。
 
「シンプルに形を決めて伝えれば、出来ると思う。でも、それだけではダメ。どこかで頭打ちになってしまう。僕は、一昨年のJ2で学んだ。ひとつの形を作って完成度を高めていっても、選手が変わるだけになってしまうので、勝ち続けられない。だから、形ではなくて、ポジショニングの意味を分かってもらわないといけない。メンバーを固定していないから、具体的な形はまだ伝えられない」
 
 ある程度、時間がかかることは覚悟しているようだ。当然、開幕戦には間に合わせたいところだが、焦っては意味がない。クラブが今季の目標を「勝点50以上、9位以上」と設定したのは、チーム再構築の難しさも考慮したものであるはずだ。
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