クラブスタッフ全員の名前を覚えることを選手に義務づけ、チーム内に改革をもたらす。
「TERRIBLE(最悪だ)」
これはクロップが初ミーティングでホワイトボードに大文字で書いた単語である。クロップは選手たちに、対戦相手が90分間を戦った後に感じるべき感情だと、その意味を説明した。
そのためには、敵よりスピーディーに、そして長距離を走ることが求められた。しつこいほどにプレスをかけてボールを奪い返し、いざ攻撃に転じたら、今度はスピードとテクニックで敵を圧倒する。それがクロップの志向するスタイルだ。
クロップはそのスタイルを身に付けようとする選手たちを褒めたたえ、「みんながみんな、全てに対して責任を持たなくてはいけない」と発破をかけた。
そう、チームワークこそが、クロップが最も大事にしているフットボール哲学だ。選手たちには食事を一緒にすることを義務付け、メルウッドは仕事をする場所であり、友達や家族との憩いの場ではないことを認識させた。
オフの時間が減少した一方で、トレーニングのインテンシティーは増した。さらに選手たちは、メルウッドで働く人たちの名前――食堂で働くキャロルさんからセキュリティー担当のケニーさんまで――をすべて覚えることも義務付けられた。
「規律」と「調和」という、しばらくの間クラブから欠落していた2つをもたらしたのである。
ピッチ上に話を戻せば、2015-16シーズン中、とくに就任直後はチームを改善していくのは容易ではなかった。アウェーでチェルシーを3-1で撃破し、マンチェスター・シティを4-1で下すなど素晴らしいパフォーマンスの試合もあったが、継続的に結果が出せずに苦しみ続けた。
ニューカッスル(0-2)、ワトフォード(0-3)、ウェストハム(0-2)などの格下を相手に敗戦を喫したのも、その一端だ。最終的に勝ったとはいえ、1月23日のノーリッジ戦では5-4と大味な試合をして、チームの長所と短所を再確認することになった。
当時のクロップは、絶大な信頼を置くピーター・クラビエツとゼリコ・ブバッチの両コーチとともに、チームにしっかりとトレーニングをさせて、素早く立て直したいと考えていた。
しかし、国内リーグとカップ戦の両方でタイトなスケジュールが組まれていたため、プロジェクトを推し進めるのは困難を極めた。さらに怪我人も続出し、これもまた改革が進まない小さくない要因となった。
これはクロップが初ミーティングでホワイトボードに大文字で書いた単語である。クロップは選手たちに、対戦相手が90分間を戦った後に感じるべき感情だと、その意味を説明した。
そのためには、敵よりスピーディーに、そして長距離を走ることが求められた。しつこいほどにプレスをかけてボールを奪い返し、いざ攻撃に転じたら、今度はスピードとテクニックで敵を圧倒する。それがクロップの志向するスタイルだ。
クロップはそのスタイルを身に付けようとする選手たちを褒めたたえ、「みんながみんな、全てに対して責任を持たなくてはいけない」と発破をかけた。
そう、チームワークこそが、クロップが最も大事にしているフットボール哲学だ。選手たちには食事を一緒にすることを義務付け、メルウッドは仕事をする場所であり、友達や家族との憩いの場ではないことを認識させた。
オフの時間が減少した一方で、トレーニングのインテンシティーは増した。さらに選手たちは、メルウッドで働く人たちの名前――食堂で働くキャロルさんからセキュリティー担当のケニーさんまで――をすべて覚えることも義務付けられた。
「規律」と「調和」という、しばらくの間クラブから欠落していた2つをもたらしたのである。
ピッチ上に話を戻せば、2015-16シーズン中、とくに就任直後はチームを改善していくのは容易ではなかった。アウェーでチェルシーを3-1で撃破し、マンチェスター・シティを4-1で下すなど素晴らしいパフォーマンスの試合もあったが、継続的に結果が出せずに苦しみ続けた。
ニューカッスル(0-2)、ワトフォード(0-3)、ウェストハム(0-2)などの格下を相手に敗戦を喫したのも、その一端だ。最終的に勝ったとはいえ、1月23日のノーリッジ戦では5-4と大味な試合をして、チームの長所と短所を再確認することになった。
当時のクロップは、絶大な信頼を置くピーター・クラビエツとゼリコ・ブバッチの両コーチとともに、チームにしっかりとトレーニングをさせて、素早く立て直したいと考えていた。
しかし、国内リーグとカップ戦の両方でタイトなスケジュールが組まれていたため、プロジェクトを推し進めるのは困難を極めた。さらに怪我人も続出し、これもまた改革が進まない小さくない要因となった。