「ダウター(疑っている者)を、ビリーバー(信じる者)」に。
リバプールの新監督として、ユルゲン・クロップ就任が発表されたのは、2015年10月9日のことだった。
当時のリバプールは、トロフィーに手を掛けながらラスト3試合で崩れ落ちた2013-14シーズンの“失態”以来、螺旋階段を転がり続けるように転落。選手、そしてサポーターから自信が完全に失われていた。
名門中の名門クラブながら、長くタイトルから見放されその名声は著しく低下していたため、この仕事がどれほど難しいチャレンジになるかを、クロップは十分に理解していた。
アンフィールドで行なわれた就任会見でクロップは、世界中から集まった記者陣の前で、こう言い放った。
「ダウター(疑っている者)を、ビリーバー(信じる者)に変える」
誤解を恐れずにいえば、就任からの15か月間で、彼はこの公約をすでに実現させた。クロップがクラブに与えたインパクトは特大で、自らを「ノーマル・ワン」と呼んだドイツ人指揮官の下で、チームは団結している。
就任からここまでの道のりは決して平坦ではなかったが、それは誰もが分かっていたことだ。忍耐が必要な、容易ではない長期プロジェクトとしてクロップは受け入れられ、挫折を味わうことも覚悟していた。
優勝トロフィーにはまだ手は届いていないものの、途中就任だった1年目の昨シーズンはリーグカップとヨーロッパリーグ(EL)という2つのカップ戦決勝へとチームを導き、また今シーズンはここまで、プレミアリーグで優勝争いを演じながらトップ4に食い込んでいる。
特筆に値するのは、クロップが湯水のように資金を注入して選手を大量獲得したわけでもなく、既存のスカッドをベースにチームを立て直したところだ。昨夏は移籍市場での支出よりも収入のほうが上回っていたのだがから、大したものである。
以前から聞いていた言葉だが、先日私が行なった単独インタビューでもクロップは、「トランスファーよりもトレーニングのほうが好きだ」と公言して憚らない。
彼がメルウッド(リバプールの練習場)での最初のミーティングの際に、選手たちに意識改革を促していることからも分かるとおり、クロップはスカッドに特大のポテンシャルがあると考えていた。しかし同時に、過度の期待からくるプレッシャーに押し潰されていることも感じ取っていたという。
当時のリバプールは、トロフィーに手を掛けながらラスト3試合で崩れ落ちた2013-14シーズンの“失態”以来、螺旋階段を転がり続けるように転落。選手、そしてサポーターから自信が完全に失われていた。
名門中の名門クラブながら、長くタイトルから見放されその名声は著しく低下していたため、この仕事がどれほど難しいチャレンジになるかを、クロップは十分に理解していた。
アンフィールドで行なわれた就任会見でクロップは、世界中から集まった記者陣の前で、こう言い放った。
「ダウター(疑っている者)を、ビリーバー(信じる者)に変える」
誤解を恐れずにいえば、就任からの15か月間で、彼はこの公約をすでに実現させた。クロップがクラブに与えたインパクトは特大で、自らを「ノーマル・ワン」と呼んだドイツ人指揮官の下で、チームは団結している。
就任からここまでの道のりは決して平坦ではなかったが、それは誰もが分かっていたことだ。忍耐が必要な、容易ではない長期プロジェクトとしてクロップは受け入れられ、挫折を味わうことも覚悟していた。
優勝トロフィーにはまだ手は届いていないものの、途中就任だった1年目の昨シーズンはリーグカップとヨーロッパリーグ(EL)という2つのカップ戦決勝へとチームを導き、また今シーズンはここまで、プレミアリーグで優勝争いを演じながらトップ4に食い込んでいる。
特筆に値するのは、クロップが湯水のように資金を注入して選手を大量獲得したわけでもなく、既存のスカッドをベースにチームを立て直したところだ。昨夏は移籍市場での支出よりも収入のほうが上回っていたのだがから、大したものである。
以前から聞いていた言葉だが、先日私が行なった単独インタビューでもクロップは、「トランスファーよりもトレーニングのほうが好きだ」と公言して憚らない。
彼がメルウッド(リバプールの練習場)での最初のミーティングの際に、選手たちに意識改革を促していることからも分かるとおり、クロップはスカッドに特大のポテンシャルがあると考えていた。しかし同時に、過度の期待からくるプレッシャーに押し潰されていることも感じ取っていたという。