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【清水】虚勢を張っていた”人間ブルドーザー”。鄭大世がスランプのなかで気づいた本当に大切なものとは?

カテゴリ:Jリーグ

飯尾篤史

2017年01月26日

北朝鮮代表エースとしてのワールドカップ初出場は惨敗に終わる。

北朝鮮代表のエースとして臨んだ2010年のワールドカップは無得点……。「勝負どころ」で結果を残せなかった。(C)Getty Images

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 5月に北朝鮮代表に合流してからも、大世は好調を維持していた。
 
 ギリシャとの練習試合で2ゴールを決めてボーフムからのオファーを掴むと、ナイジェリアとの練習試合でもゴールを決めた。パフォーマンスのみならず、“お口”のほうも好調で、メディアの前で「ワールドカップでは1試合1ゴールは決める」とぶちあげた。
 
 そうしたビッグマウスの一方で、大世にはプレッシャーに弱いという一面があった。いや、そうした弱点を隠すための大口でもあった。
 
「自分がプレッシャーに弱いってことは自覚していたんです。だって、PKは高校時代から公式戦で14、15本ぐらい蹴って3、4本しか決めてないですから。分かっていたけど、気合いで乗り越えようとしていたんです」
 
 プレッシャーに弱い自分を受け入れ、できる限り平常心で臨むことが最善の策ということを今の大世は知っている。
 
 だが、当時は分からなかった。
 
 そして、見事に空回りした。
 
 ブラジル戦、ポルトガル戦、コートジボワール戦、どの試合も一度はビッグチャンスが巡ってきたが、それをことごとく外してしまう。
 
 北朝鮮代表は守りに守って数少ないチャンスを得点に結び付けることでしか勝機を見出せないのに、エースが決定機を外しては勝てるはずがない。
 
 結果は、3戦全敗だった。
 
「あそこで1点取れていたら、人生が変わっていたと思いますね。のし上がっていく選手って、勝負どころで結果を出すものなんですよ。ほら、あの大会の本田圭佑がそうだったじゃないですか。ワールドカップで2発決めて、スターダムへと駆け上がった。そういうことも今なら分かるんですけどね」
 
 ワールドカップは惨敗に終わったが、落ち込んでばかりはいられなかった。次の冒険が目の前に迫っていたからだ。
 
 熱心に誘ってくれたボーフムが2部のチームということに悩まなくもなかったが、ヨーロッパのトップリーグで活躍するための第一歩と考えれば、悪くない選択に思えた。
 
「僕には『日本代表』の肩書きがあるわけではないので、まずはヨーロッパに行って、向こうのマーケットで知られることが大事だと思ったんです」
 
 移籍したボーフムでも結果を出した。12月後半のウインターブレイクまでに16試合に出場して8ゴールをマーク。ストライカーとしての春を謳歌した。
 
「半年で8点も取れたんだから、トータル17、18ゴールはいけそうだなって」
 
 目の前に落とし穴が口を開けて待っていることなど、この時の大世は、知る由もなかった。
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