【セルジオ越後】制度的に穴だらけのCS。来年から廃止になって、選手も喜んでいるだろう

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年12月04日

準決勝は1発勝負なのに、なぜか決勝はホーム&アウェー。不思議だと思わない?

興梠に先制点を奪われたものの、鹿島の選手たちに動揺はなかった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 試合を見ていても、そういう精神状態なんだろうと感じたし、実際に前半で同点に追いついてしまった。そしてレッズの隙を突いて、決勝点まで奪った。まさに試合巧者だよ。
 
 石井監督の采配も納得できるものだったね。1-1の時にボランチの小笠原を代えて右SBの伊東を入れたのは、前への推進力を上げるためのもの。2-1になった後は、あえて途中出場の鈴木を下げて赤崎を投入し、守備の意識を高めた。こうした交代策で、ピッチ上の選手たちも、今何をすればいいか、が分かったはずだ。
 
 アントラーズはやることが明確で、反対にレッズはいろんな勝ち筋があるから迷いが生じた。サッカーは、こういうメンタル面の要素が、試合の行方を大きく左右するケースがある。今回の決勝は、まさにそんな展開だったよ。
 
 ただ、僕は今年の年間1位は、レッズだと思っている。チャンピオンシップという制度によってアントラーズが優勝したけど、リーグ戦での勝点は15も離れているんだ(浦和は74、鹿島は59)。リーグ王者は、年間を通してコンスタントに結果を出したチームに与えるべき。これは僕だけじゃなく、世界の常識だろう。
 
 アントラーズの優勝に文句を言っているわけではないよ。彼らは定められた制度のなかで、きっちり結果を出した。それは素晴らしいことだ。でも、Jリーグが定めた制度は、穴だらけで、とてもワールドスタンダートとは言えないのも理解してほしい。
 
 そもそも、Jリーグ自身が、チャンピオンシップが失敗だったことを認めているからね。来年から、再び1シーズン制に戻すんだ。本当に素晴らしいものなら、2回で止めるなんて判断にはならないでしょ。
 
 去年、今年と2回行なわれたチャンピオンシップは、レギュレーションが複雑だし、理解できないファンやサポーターもいたと思う。
 
 例えば、準決勝は1発勝負なのに、なぜか決勝はホーム&アウェー。不思議だと思わない? 決勝も一発勝負にするか、準決勝もホーム&アウェーにするか。どっちかに統一したほうがわかりやすいでしょ。つまりは、単純に試合数を増やしたかったんだ。興行重視の制度ということだよ。
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