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【現地発】アルゼンチン代表を取り巻く安堵と緊張……チーム、ファン、メディアの奇妙な関係

カテゴリ:ワールド

チヅル・デ・ガルシア

2016年11月17日

不当な過小評価、限度を知らない過激報道…敬意を欠く者たち。

バウサ監督お気に入りのプラットは大活躍。ブラジルのアトレチコMGでプレーするFWの起用が英断となった指揮官は今後、ここまでの評価を覆せるだろうか。 (C) Getty Images

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 そんなバウサ監督は、コロンビア戦に際し、ブラジル戦の先発メンバーから3人を変更したが、自身にとって最も大きな賭けとなったのは、FWルーカス・プラット(←ゴンサロ・イグアイン)の起用だった。
 
 他の2人、エベル・バネガ(←エンソ・ペレス)とガブリエル・メルカド(←パブロ・サバレタ)は、前任ヘラルド・マルティーノ監督のチームの常連だったが、プラットはバウサ監督が今年9月にA代表でデビューさせたストライカーである。
 
 そのプラットをこの試合で先発出場させることは、バウサ監督が「独自の判断」を印象付けるビッグチャンスでもあった。
 
 果たしてプラットは、メッシの巧みなアシストからアルゼンチンの2点目となる美しいヘディングシュートを決めた上、敵陣で相手の守備を崩しながらゴール前で非常に危険な存在となり、後半にイグアインと交代するべくピッチを去る時には、サポーターから拍手喝采を浴びた。
 
 プラットが絶賛された一方で、交代出場したイグアインに対しては、スタンドから容赦ないブーイングが巻き起こった。
 
 アルゼンチンでは、「3年連続(ブラジルW杯、コパ・アメリカ、コパ・アメリカ・センテナリオ)の決勝敗退」の戦犯としてイグアインを槍玉に挙げる人が多く、SNS上では決定的なチャンスを逃すイグアインを嘲笑する動画や画像が、未だに飛び交っている。
 
 サッカーファンのあいだでは、必要以上にイグアインを過小評価して嫌う傾向があると言っていい。
 
 これに加えてコロンビア戦の前には、ガブリエル・アネーロという記者が「ラベッシがメンバーから外されたのは、合宿先でマリファナを吸っていたから」と報道していた。
 
 こういった一部の心無いファンやメディアによる、代表選手に対する「敬意に欠けた言動」がきっかけとなって、選手たちはメディアをボイコットすることに決めたのである。
 
 かくして、アルゼンチンは望み通りの勝利を収めると同時に、メディアの取材に応じないという決断を下し、プレーオフ圏内の5位で2016年の予選の全日程を終えた。
 
 次のチリ戦(ホーム)とボリビア戦(アウェー)までの4か月間、選手たちが沈黙を通すなかで、バウサ監督は就任以来、初めてじっくりと時間をかけて構想を練ることができる。
 
 しかし、残されているのは6試合のみ。高地キトでのエクアドル戦というハードなゲームで最終節を迎えるだけに、ミスが許されない状況はまだまだ続く。
 
文:チヅル・デ・ガルシア
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