【現地発】アルゼンチン代表を取り巻く安堵と緊張……チーム、ファン、メディアの奇妙な関係

カテゴリ:ワールド

チヅル・デ・ガルシア

2016年11月17日

メディアから満点評価されたメッシは、メディアに背を向けた。

代表チームには勝ってほしいと願い、勝てば大喜びするが、一方で度を越した言動で選手たちの尊厳を傷付けたりもする……。そういったいびつな関係が、快勝の喜びをかき消し、対立関係を生み出してしまった。 (C) Getty Images

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「我々は今後、メディアの取材に応じないことに決めた」
 
 ロシア・ワールドカップ南米予選のコロンビア戦でアルゼンチンが3-0の快勝を遂げた直後、26人の選手全員を代表し、キャプテンのリオネル・メッシは記者団の前でマイクを握り締め、そう言った。
 
 チームが望み通りの勝利を収め、自身も見事な直接FKから先制点を決めただけでなく、ピッチ中央から前線にかけての幅広い範囲で積極的に動いて攻撃を先導し、勝利に大きく貢献したことから、試合後、メッシの口からは満足感溢れるコメントが出るだろうと思われていた。
 
 スポーツ紙『Ole』からは10点満点の採点をつけられ、コロンビアの名将ホセ・ペケルマン監督からも「この次元でのメッシ相手では(勝つことは)不可能だ。彼はたったひとりで大きな差をつけてしまう」と絶賛されたほど、この試合でのメッシは文字通りチームの原動力となっていたのだ。
 
 だが、いつもならピッチを去る前にテレビレポーターの取材に応じるメッシも、今回は口を閉ざしたまま足早にロッカールームに向かった。恒例の前日会見も行なわれなかった流れから、代表の番記者たちはすでに「選手たちによるメディアボイコット」が始まることを確信していたという。
 
 とはいえ、本来ならば喜ばしい雰囲気のなかで終わるはずだった今年最後の予選が、必要以上に緊迫した空気に包まれてしまったことについて、メディア関係者は一斉に遺憾の意を表した。
 
 エドガルド・バウサ監督とそのチームにとって、コロンビア戦は「何が何でも勝たなければならない試合」だった。
 
 十分な練習時間もテストマッチもないまま、就任直後からW杯予選を任されたハンデは確かにあったものの、これまでの5試合においては、従来の固定メンバーを優先しながらも無謀な采配ばかりが目立ち、バウサの代名詞ともいわれた「均衡」など微塵も見られないチームになっていた。
 
 ブラジル戦では、負傷で5か月間も試合に出ていないエセキエル・ラベッシをベンチ入りさせた一方、国内組が登録メンバーから漏れたことなどから、バウサ監督がメッシを囲む「友人たち」を尊重しすぎるあまり、「自由に選手選考できない状態に自ら追い詰めている」とも指摘されていた。
 
 コロンビア戦の結果次第では、更迭もあり得るという見方をする番記者もいた。予選が再開される来年3月下旬までの4か月間に、新しい監督を選んで再々スタートする可能性もあるという考えだ。

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