【ミラン番記者】本田圭佑はほとんど「空気」。今後もそれが変わる兆候はない…

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2016年11月04日

いまのモンテッラには誰にも文句は言えない。

就任1年目ながら攻守のバランスの取れた好チームを構築し、結果を出しているモンテッラ監督。本田の扱いを含めて、いまの指揮官を批判するのは不可能だ。写真:Alberto LINGRIA

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 モンテッラはおそらく、ボナベントゥーラに勝利を呼ぶインスピレーションを与えた本田にも賛辞を送りたかったのだろう。ただそれでも、本田が置かれた何も状況は変わっていない……。
 
 今シーズン初先発のチャンスだったジェノア戦(10月25日のセリエA10節)は、ご存知の通りポジショニングミスから失点に絡んだうえに攻撃では何もできずと悲惨なパフォーマンスに終わった。それ以降、本田はまたモンテッラのレーダーにはひっかからなくなってしまった。
 
 出番なしに終わったペスカーラ戦と同様、今後もベンチに座る日々が続くだろう。右ウイングの定位置を争うライバルのスソはやや疲労を溜め込み、シーズン序盤の輝きを放てずにいるが、それでも本田がプレータイムを得るのは極めて難しそうだ。
 
 今のミランは、チームが2つのグループに完全に分かれてしまっている。1つは12、13人の選手からなるレギュラーグループ。モンテッラに彼らに大きな信頼を寄せ、よほどのことがない限りスタメンとしてピッチに送り出す。
 
 そしてもう1つは、あまり監督に顧みられないバックアッパーグループ。ここに属する選手の平均出場時間は、前者のグループの選手に比べて7分の1だ。この中には長期の故障離脱者(アンドレ・ベルトラッチ、マティアス・フェルナンデス、クリスティアン・サパタなど)も少なくないが、中には本田のようにプレーできる準備ができているにもかかわらず、テクニカル/戦術的な理由からベンチに座り続けている選手もいる。
 
 年間を通じたチーム力のボトムアップで考えれば、レギュラー組とバックアッパー組の境目が大きいのは褒められたものではない。しかし、今シーズンのミランはヨーロッパ・カップ戦がないし、何よりも今は結果が出ている。指揮官の采配を責めるのは不可能だ。モンテッラはミランが最後にスクデットを取った2010-2011シーズン以来、誰も実現できなかった好調をチームにもたらしているのだから。
 
 モンテッラの功績は、1試合平均勝点2を挙げる好成績でチームをチャンピオンズ・リーグ出場圏内にまで持ち上げた(セリエA11節終了現在で勝点22の3位)ことだけではない。負のオーラに包まれていたサン・シーロに平和をもたらし、宿敵ユベントスを破り(10月22日のセリエA9節)、18歳のマヌエル・ロカテッリの才能を見出し、チームの平均年齢をセリエA一に若返らせた。誰も文句は言えないだろう。
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