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順調そうに見える原口元気が抱えるジレンマ。「ストライカーの役割を諦めたわけじゃない」

カテゴリ:日本代表

寺野典子

2016年10月04日

現在の原口を見て思い出されるシュツットガルト時代の岡崎慎司。

持ち前のドリブル突破や献身的な守備はドイツでも高い評価を受けている。しかし、本人はゴールという結果を渇望する。(C) Getty Images

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 ストライカー、点取り屋としての評価を上げるには、ゴールを決め続けることはもちろん、常にゴールの匂いをさせなくてはならない。身体能力に長けた欧州でプレーするゴールゲッターたちのほとんどが、自分のゴールのことだけを考えてプレーする。たとえそれが傲慢に映ったとしても、「ゴールを決める選手だから」と周囲は認識し、「よし決めてくれ!」とばかりに自然とボールが集まってくる。
 
けれど、日本人選手にはそんな点取り屋ほどのフィジカルの強さがない。一芸名人のような欧州の選手たちに比べると、出来ることが多い日本人選手の多様性は、ひとつの武器だ。指揮官はそんな汗もかける日本人選手を起用することで、チーム内のバランスを保ち、円滑に試合が進むことに期待を寄せる。
 
 結果、たとえFW登録であっても、MFのような仕事が求められ、それをこなすことで、ポジションを手に入れる。昨季の原口はこの時点まで来ていたはずだ。
 
 そして今、そこから先のストライカーとしての存在価値を示したいとは願っているが、指揮官を含めて周囲の原口に対する認識はなかなか変えられないのではないだろうか? ゴールから離れた場所での仕事を余儀なくされ、いわゆる美味しいところは生粋のストライカーが決めてしまう。そういう空しさを原口は今、感じているかもしれない。
 
 目指すべきは、ストライカーとしての成功。もう一段、ステップを上がるためのシーズンにしたいと願えば願うほど、現状に対するジレンマも大きくなるだろう。そんな原口を見ていて、思い出すのは、シュツットガルト時代の岡崎慎司だ。
「もういっそのこと、ストライカーじゃなくて、ミッドフィルダーとして、出来るだけ長くヨーロッパでプレーするということに目標を変えようかな」
 
 指揮官やチームメイトから“FW”として見てもらえない現実に岡崎が真面目な顏で言ったことがある。その後も彼は彼なりにもがき続けて、結局マインツへ移籍したが、それはシュツットガルトでの競争から「逃げた形と思われてもしょうがない」という決断でもあった。
 
 もちろん、当時の岡崎と今の原口とでは、状況が同じというわけではないが、打開しなければならない壁があるのは同じだろう。
 
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